addsomemusic2004-12-28



 今回取り上げるのは1964年にリリースされたEVEN DOZEN JUG BANDの同名タイトル・アルバム。その名の通りジャグ・バンドで、このバンドにジョン・セバスチャンは参加していました。細道といっても、ラヴィン・スプーンフル以前のジョン・セバスチャンということで割りと有名ですよね。まぁここではラヴィン・スプーンフルやソロ・アルバム以外でジョン・セバスチャンを聴けるものを紹介してるものでね。


 ジャグ・バンドって何ぞや?という質問は今更いいっこなし。ジャグ・バンドが分からない方はネットで検索でもしてください。60年代前半はリヴァイバル・ジャグ・バンド・ブームで、当時かなり多くのジャグ・バンドが存在したはず。ただしその多くがアルバムすらリリースできずに消えていったものがほとんどでしょうね。そんなジャグ・バンドで最も成功したのは間違いなくジム・クウェスキン&ザ・ジャグ・バンドだったでしょう。ジム・クウェスキンのバンドにはジェフ・マルダーやフリッツ・リッチモンド、それにマリア・マルダー(当時はマリア・ダマート)らが在籍していたんですよね。でもそのマリア・マルダーはもともとこのイーヴン・ダズン・ジャグ・バンドのメンバーでした。メンバーの豪華さではこのイーヴン・ダズンもジム・クウェスキンに負けてはいません。スティーヴ・カッツやデヴィッド・グリスマンらが在籍していましたし、前述のマリア・マルダーに我らがジョン・セバスチャン


 当時はみんな全く無名の若者でしたが、彼らが奏でるジャグ・バンド・ミュージックには音楽の楽しさが詰まっています。彼らにもこんな若き日があったんだなぁ・・・と感慨深く聴けるのは単に私がジャグ・バンド好きだからかなぁ(笑)。


 ジョン・セバスチャンは歌ではなくハーモニカ担当。イーヴン・ダズンはメンバーが10人以上もいる大所帯バンドで、曲ごとに参加してるメンバーがいろいろ違っています。ジョン・セバスチャンはジョン・ベンソンとクレジットされてますが、これは彼の本名がジョン・ベンソン・セバスチャンだからです。それにクラッシック・ハーモニカ奏者だった父親でもあるジョン・セバスチャンと比べられるのが嫌だったんじゃないでしょうか?若い頃はみんなそんなもんですよね。


 ジョン・セバスチャンが参加しているのは4曲(1曲はカズーで参加)。もっとたくさん聴きたいところなんだけど、大所帯バンドだし、ジャグ・バンドといえばカズーがフューチャーされる場合が多いんでハーモニカでは分が悪かったんでしょうね。


 ジョン・セバスチャン参加曲では「FRANCE BLUES」がなかなか良い。スティーヴ・カッツとマリア・マルダーのボーカルも最高だし、ハーモニカも効果的です。