じゅげむ

addsomemusic2005-01-21

 「じゅげむ」がNHKのこども番組で取り上げられて、子供達に人気だそうです。昨年の話し?テレビなんてほとんど見ないし、流行にも疎いし、まして小さい子供にウケてるなんて私が知ってるはずもないですね。


 「じゅげむ」とは「寿限無」と書くんだけど、これは人の名前です。「寿限り無し」という意味でとてもめでたい名前なんですよね。もちろん有名な落語での話しで、「寿限無」は名前のほんの一部で本当はもっと非常に長い名前なんです。話しの内容は、男の子が生まれたんで、その子に男らしく長命な名前を付けてもらおうと寺の住職に頼みにいくという話し。住職はめでたくも長命な名前をいろいろ教えてくれるんだけど、それらの名前を全部もらってくっつけてしまったもんだから、やたら長い名前となってしまった。一応、落ちは子供が井戸(川の場合もあり)に落ちたんだけど名前を呼ぶのにあまりにも名前が長すぎて結局助けられなかったという笑うに笑えない話し(笑)


 数ある落語の中では一番有名な話しじゃないでしょうか?私も子供の頃にこの「寿限無」を全部覚えた記憶がありますから。いまでもちゃんと全部言えますよ(笑)。子供にも分かりやすいし、とても面白い話しなんで、キッカケがなんであれ、子供達が落語に興味を持ってくれたら嬉しいなぁ。私も落語好きなんでねぇ。


 でも、あんまり落語通な子供ってのは可愛くないかも。「やっぱり志ん生だよ」「いや、圓生こそ最高だね」なんて子供達の会話は聞きたくない(笑)


 「寿限無」はいわゆる前座話しで、あまりに有名すぎるのか、ちゃんと噺家が演ってるのを聞いたことがないんですよ。落語のCDとかも大量にでてるんだけど「寿限無」なんて見つかりません。さっきネットで調べたら柳家花緑が「じゅげむ」のCDを出してました。聴いたことはないんだけど、これは先に触れたこども番組からの企画モノなんでしょうか?ちゃんと「寿限無」を演ってるのかな?それならちょっと聴いてみたいなぁ。


 長い名前の話しといえば「たらちね」も有名ですよね。これは正確には名前ではないんですけどね。まぁ似たようなもんか。「子別れ」「薮入り」といった人情話も好きですが、やっぱり「寿限無」「たらちね」のような滑稽話こそが落語の面白さがよく分かりますよね。「厩火事」「強情灸」「黄金餅」「火焔太鼓」「お見立て」「寝床」「船徳」あたりは大好きだなぁ。


 いわゆる古典落語なんて、決まったストーリーなんで落ちも分かってるんですよね。でも噺家の力量で知ってる噺でも新鮮に聞かせてくれます。「笑い」が氾濫してる現代では古典落語なんて大笑いできるようなものではないですね。言葉の古さから落ちの意味が分かりにくい場合もある。でもねぇ時折「ニヤリ」という笑みがついこぼれてしうのが好きなんですよねぇ。


 「寿限無」と並んで有名な落語で「饅頭こわい」って噺があります。これもあまりに有名すぎて、ちゃんと噺家が演ってるのを聞いたことがなかったんですが、桂米朝が「特選米朝落語全集」で一席設けてるのを聞いて妙に感動してしまった(笑)。志ん生が演ずる「寿限無」なんて音源が残ってたらメチャクチャ感動するだろうなぁ。聴きたい!


 今日は全く音楽と関係ない話しでしたが、いつかは書きたいと思っていたネタでしたので、私自身は満足な日記なのです(笑)


 最後に「寿限無」のフルネームでも(笑)


寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末食う寝るところに住むところやぶら小路ぶら小路パイポパイポパイポシューリンガンシューリンガングーリンダイグーリンダイポンポコピーポンポコナーの長久命の長助


・・・こんな名前は嫌だなぁ(笑)