addsomemusic2005-10-18



 なんとなくシリーズ化(笑)。SSWの裏名盤でもいいんだけど、純粋なSSWとはちょっと違うぞ?となると、それなら「サイケ&アシッド」で取り上げれば良いか・・・という安易な考えからですが(笑)。


 JERRY YESTER & JUDY HENSKEのたぶん1969年にリリースされた『FAREWELL ALDEBARAN』なんぞ聴いてます。当時、夫婦だった二人によるアルバムで、アシッド〜サイケな名盤だと思います。門外漢の方には普通にフォーク・ロックでくくられちゃいそうですが、サイケなフィーリングがビシバシ伝わります。何を持ってサイケか?なんて聴かれると難しいですが・・・まぁ感覚的なもんです(笑)。


 ジェリー・イエスターはもちろん元MFQのメンバーでラヴィン・スプーンフルの後期メンバーでもありました。ジュディ・ヘンスキはよく知りませんがジャズ・ボーカルなアルバムをリリースしていたと思います。このアルバムはそんな二人にとってもまさに異色作で、当時の時代の流れだったんでしょうかね。それでもジェリー・イエスターの時代を捉えた感覚には素晴らしいものを感じますし、ジュディのボーカル力は凄みすら感じさせます。全体に膜を覆ったようなサウンドがとてもドリーミーでとても強烈にサイケを感じさせますね。音作りもとても複雑で、メロディの浮遊感とともに不思議な魅力を感じさせます。フォーク畑のアーティストでもこれだけサイケなアルバムを作れるんですよね。本当にジェリー・イエスターの才能には恐れ入ります。


 全ての楽曲がイエスター=ヘンスキによるものだし、プロデュースとしてイエスターとともにザル・ヤノフスキーの名前があるのが個人的には嬉しいんですよね。


 この後もイエスター&ヘンスキを中心としたバンド形態でROSEBUDとしてアルバムを残しています。もっとフォーク・ロック色を強めた感じでとても良いアルバムですが、この『FAREWELL ALDEBARAN』で聴かれるようなドリーミー・サイケな感覚はありませんでした。