addsomemusic2006-02-19



 前回「人に歴史あり」で取り上げたリトル・フィートとともに高校生の時に本当に好きで聴いていたのがTHE BANDです。高校生のときに出会ったこの二つのバンドこそが今の私のベーシックな音楽嗜好を形成したといっても過言ではないと思いますね。


 やはり例に漏れず「名盤○○選」といった雑誌特集などでザ・バンドの存在をしりました。セカンドの激渋なジャケが強烈にインパクトがあったんだよなぁ。当時からジャケの好みは渋かったんですよね。で、最初に買ったザ・バンドのアルバムはセカンドではなくベスト盤でした。それしか売ってなかったのか、お手軽にベスト盤で済ませようと思ったのか記憶は定かではないんですが、当時は今のようにオリジナル・アルバム志向ではなく良い曲が詰まったベスト盤を買うことが多かったですね。


 初めて聴いたザ・バンドサウンドにはかなりの戸惑いを感じました。「えっ?これがベスト盤?」なんて印象を持ったことは今でもハッキリと覚えてます。いままでザ・バンドのようなタイプの音を聴いたことがなかったせいか、彼らの音楽は余りにも地味に思えたんですよね。普通ベスト盤というと、キャッチーな曲やポップな曲があったりと、メロディもかなり聴きやすく耳に残るようなものが多かったんで、それらの今まで聴いてきたいわゆるヒット曲集ともいえるベスト盤の類いとは異質の世界を感じました。


 でも買ったものはひたすら聴き続ける高校生。彼らのサウンドの魅力に気がつき、それにハマっていくのにそれほど時間はかかりませんでした。地味だと思ってた楽曲達がどれも本当にかっこよく聴こえだしたんですよね。「THE WEIGHT」「UP ON CRIPPLE CREEK」「THE SHAPE I'M IN」・・・そのどれもに鳥肌を浮かべて「カッコイイ〜!」って一人で興奮してたなぁ。いわゆるルーツ・ミュージック的な関心はまだ全然なかったけど、その土の薫りや木の薫りが漂う彼らのサウンドには「聴き飽きる」という言葉はなかったなぁ。それどころか聴けば聴くほど味わいが増してきますから。


 一番好きな曲は間違いなく「STAGE FRIGHT」で一番好きなアルバムはセカンドの『THE BAND』に尽きます。このアルバムは永遠のマイ・フェイバリットだし、このアルバムがあったからこそ、今に続くウッドストックサウンドを追い求める長き道のりが始まったんですよね。