addsomemusic2006-03-26



 大学のときに本当に心酔していたアーティストはボブ・ディランでした。これは前回の「人に歴史あり」にも書きましたが、もう一人フランク・ザッパにも心酔してその膨大なカタログ量を誇るアルバムも次々と買い揃えていったなぁ。ディランも全アルバム揃えるぞ!と意気込んだものの志半ばにして挫折。ディラン以上にアルバム枚数が多いザッパに至っても結果は同じ。だってオフィシャルだけでもものすごい枚数なのに、オフィシャル・ブートなんて訳の分かんないアルバムまであるからなぁ。


 基本的に雑誌やらを元に人気盤から順に揃えていくもんだから、何十枚も買った後に残るアルバムってのは正直「キビシイ」ものばかりなんですよね。ディランなんかだと時代が変わってもそれほど音楽性が変わることはないんだけど、ザッパの場合は時代どころかアルバムごとに様々な音楽性がパッケージされてるもんだから理解できないものはどうやっても理解できない(笑)。それでも結構買ったな〜。


 フランク・ザッパはその名前は高校生のときから知っていました。でも雑誌やらなにやらで仕入れた情報は「???」なモノ。天才なのか奇才なのか、はたまた変態なのか?ロックなのかジャズなのか現代音楽なのか???・・・結局それら全てがザッパなのだという事実は実際に複数のアルバムを聴くまで分かりませんでしたが。


 とにかく聴いてみたいという欲求にかられ、遂に『ONE SIZE FITS ALL』でその洗礼を受けました。なぜ初めて買ったのが『ONE SIZE FITS ALL』だったのかは正直いって覚えていません。たぶんロック色が強いアルバムという評でも読んでこのアルバムをチョイスしたんだと思います。


 いや〜これがスゴかった。今振り返ってみるとザッパ初体験にはこのアルバムで良かったなぁと素直に思いますね。確かにロック色が濃いアルバムで、圧倒的なパワーを感じました。かっこよすぎ!このアルバムがメチャ気に入って次に買ったアルバムは『FREAK OUT!』でした。


 『FREAK OUT!』はいわゆる「ロック名盤」とかいったものに必ず選ばれてるようなアルバムだし、サイケなジャケにもかなり惹かれていました。THE MOTHERS OF INVENTION名義だったし、1966年という時代を考えて「どうなのかな?」なんて思ってたんですが、これが圧倒的に素晴らしいアルバムで思い切りノックアウトされちゃいましたね。ロック色の濃い曲からドゥ・ワップまでバラエティ豊かだし、サイケな演奏に興奮しました。それにどの曲もポップで聴きやすかったんですよね。しかしラストに納められた壮絶なナンバー・・・なんじゃこりゃ〜!・・・だったなぁ。今までオーソドックスなアメリカン・ロックしか聴いたことがなかったんで、初めて聴いた「THE RETURN OF THE SON OF MONSTER MAGNET」には衝撃を受けましたから。


 それからは先にも書いたけどザッパのアルバムを買い漁る日々が始まったんですよね。とにかくザッパのいろいろなアルバムを聴くことで自分の耳がかなり鍛えられたような気がします。そのおかげか、大抵の音楽は苦にせず聴けるようになりましたから(笑)。