addsomemusic2006-09-01



 ロッテン・ハッツというバンドが大好きでした。90年代頭頃かな。ピチカートやフリッパーズの台頭で渋谷系といわれた音楽が世間を騒がせ始めた頃でしょうか?このロッテン・ハッツもそんな「渋谷系」なるくくりでまとめられていたようなバンドなのかもしれませんが、音楽性は全く違い、アメリカン・ルール・ミュージックを基本ととしたカントリー、ラグタイム、ブルース、フォーク、ジャグ・バンド・・・といったようなオールドタイミーなサウンドが当時のバンドの中でもかなり異色な存在だったと思う。「オシャレ」なサウンドが巷を騒がしていた時代にアメリカン・オールドタイミーなサウンドはどう考えても似つかわしくないような気もしたけど、私も含めて当時の若者にけっこうな人気をを博していたのも事実なんですよね。


 もともとはネオGSと呼ばれていたバンドのメンバーが集まって出来たバンド。ネオGSって何やねん・・・なんてツッコミはご遠慮ください。当時のオリジナル・ラブとかコレクターズとか・・・知ってる人は知っているというくらいカルト的な人気が当時はありました。当時それらのバンドと肩を並べた(?)、ワウワウ・ヒッピーズの木暮、高桑、白根とペイズリー・ブルーの真城、ザ・ハワイズの中森、それに片寄を含めた6人組こそがロッテン・ハッツでした。


 メジャー・デビュー以前にリリースしたインディー盤『ROTTEN HATS』がリリースされたのは1992年だっけ?それ以前(だっけ?)にクリスマス・シングルとかあるけど持ってないんで省略。このインディー盤は全7曲ながら中身は濃い。まさにアメリカン・オールドタイミーなサウンドが基本ながら90年代の新しい試みも感じ取れる素晴らしい内容。ボーカルは片寄と真城でバランスもよく取れています。


 1曲目は「WALK RIGHT IN」でカバー曲に日本詩を載せたもの。バンジョーの音色とハーモニーが楽しい1曲。片寄のボーカルに被さるように入る真城のコーラスがいい感じです。次は片寄の手によるオリジナルの「WORDS OF LOVE」なんだけど、全曲からの違和感が全くない素敵なグッドタイム・ミュージック。3曲目の「BUTTERFLY」は木暮のオリジナル。リードを取るのは真城で、ここで聴けるように木暮の曲と真城めぐみのボーカルの相性って本当に良いですよね。個人的なベストトラック。続く「SWEET SUE」は有名な曲ですね。多くのカバーがあるもうトラディショナルといってもいいような曲なんで聴き比べてみるのも楽しいかも。「T-BONE SHUFFLE」はT-BONE WALKERの曲かな。かなりブルージーでな曲なんだけどカズーとか鳴ってて愛嬌を感じさせます。ラストを飾る「MIDNIGHT CARNIVAL」は木暮のオリジナルなんだけどなんと10分を越える大作。コンパクトなオールドタイミーな楽曲との違和感を感じさせなくもないけど、ここらあたりがロッテン・ハッツの懐の深さだったんだろうなぁと思いますね。


 個人的にはロッテン・ハッツのアルバムの中で1番好きで、当時相当繰り返し聴いていたんでかなり愛着があります。まぁこの後のメジャー・デビュー後のアルバムも大好きなんですけどね(笑)。あ〜もう10年以上経ってるんですね。年を取ったもんだ・・・


ROTTEN HATS

ROTTEN HATS