addsomemusic2006-10-06



 ただいまのBGMはPETER ANDERSの『PETER ANDERS』なり。ピーター・アンダースは60年代にヴィニ・ポンシアとともに、ソングライター・コンビとして数多くのヒット・ソングを手がけたソングライターとして有名ですね。アンダース&ポンシアはソングライターのみならず、素敵な曲やアルバムもリリースしていました。有名なのではINNOCENCEやTRADEWINDS名義でリリースされた素晴らしいポップス・アルバムがあります。特にTRADEWINDSのアルバムに収録された「NEW YOURK'S A LONELY TOWN」は永遠の名曲(タツローもカバーしてましたね)。この曲のリリースを拒否したのがあのフィル・スペクター


 そんなピーター・アンダースですが、アンダース&ポンシアのデュオ名義の素晴らしいアルバムを1969年にリリースした後に、ソロ・アルバムをリリースしています。1972年の『PETER ANDERS』はビリー・ジョエルやダニー・クーチ、バートン&クニコまで参加した豪華盤でよく見かけますが、今回取り上げるのは同名タイトルながら1976年にリリースされたTIGER LILY盤。たぶんこれはソロとして2枚目のアルバムだと思いますし、これ以降にアルバムをリリースしてるのかは不勉強なため分かりません。


 ややAOR的な部分も一部で感じられないこともないけど、しっかりとイタロ系のバタ臭さは健在(笑)。基本的にはソウル・フィーリングに溢れたアルバムで、スワンプっぽい曲もあったり、とても優れたSSWアルバムに仕上がってると思います。初期の山下達郎とかブルー・アイド・ソウルな感じの音が好きな方にはマストでしょうね。もちろん全曲彼自身の手によるもので、バートン&クニコやジェリー・ゴフィン、そしてヴィニ・ポンシアとの共作がるのも見逃せませんね。基本的に捨て曲なし。割りとポップで軽快な曲が多いので聴きやすさもバツグン。しっかりと作りこまれたサウンドで、甘いポップ・ソングな「YESTERDAY'S TOO MANY DREAMS AWAY」とか口笛が印象的な60年代ポップスを彷彿させる「SUDEN CREEK」とか大好きです。


 60年代の一流ソングライターのピーター・アンダース。その才能は70年代になっても枯れてはいないことをこのアルバムは証明してくれています。キャロル・キングやバリー・マンのソロ・アルバムと同様にもっと語られるべきだと思います。


ベスト

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