addsomemusic2010-01-17



 先日、BSで荒井由実の『ひこうき雲』を取り上げた番組がありました・・・って残念ながら見逃してしまいました。悔しいんで取りあえず『ひこうき雲』を引っ張り出して聴いています(笑)。


 先に書いておくと私自身はそれほどユーミンが好きではないんですよねぇ。でも荒井由実時代の4枚のアルバムは結構好きです。特に1973年にリリースされた1st『ひこうき雲』はダントツに好きです。今でも取り出して聴くことがあるのって実はこのアルバムくらいなんですけどね。


 番組は見れなかったんで、どういった内容かは分かりませんが、このアルバムが傑作だということは間違いないでしょう。細野晴臣鈴木茂林立夫松任谷正隆といったキャラメル・ママによる演奏がまさに最強。荒井由実のメロディーメーカーとしての才能が最高のバック陣を得て最良の形で収められています。荒井由実もこの時まだ10代なんだから恐るべし・・・ですよね。


 まさにニューミュージックの先駆け的なアルバムですね。同時代の女性アーティストによるアルバムと比べても圧倒的にスタイリッシュで都会的なサウンド。当時としてはそうとうに先へ進んだ音だったと思います。試しに、金延幸子の1971年にリリースされた『み空』と聴き比べをしてみました。確かにこの時期で2年の違いは大きいかもしれませんが、この『み空』の演奏には細野晴臣林立夫鈴木茂といった同じメンバーが参加しています。他にも中川イサトが参加。


 2年の差、プロデューサーの違い、レーベルの方向性・・・など単純に比べられるものでもないですが、明らかに次元が違います。『ひこうき雲』以前のSSWって基本的にフォークの枠から抜け出せていないんですよねぇ。『み空』だって同時期のアルバムの中ではかなり洗練された音のほうなんですけどね。とにかく『ひこうき雲』はシンガーソングライターの脱フォーク宣言なアルバムなんでしょうね。まさにニューミュージックの夜明けです。
 

ひこうき雲

ひこうき雲