addsomemusic2005-01-15



 もう落ち着いてしまったけど、いわゆるアコースティック・スウィング・ブームなるものがありましたね。ブームというにはあまりにも小さい世界だったかもしれませんが、アコースティック・スウィング系の音楽が次々とCD化されたのは古き良き音楽を今の若い方に残せる機会としてとても良かったんじゃないでしょうか?


 キッカケは何だったんでしょうね?一番大きな要因はダン・ヒックスの復活だったと思います。DAN HICKS & THE HOT LICKS名義としては27年ぶりとなった『BEATIN' THE HEAT』が往年のダン・ヒックス・ファンよりもダン・ヒックスなんて名前すら知らなかった若者にウケましたからね。


 でもこれだけじゃブームにならない。やっぱり往年の名盤が容易に手に取れる環境にないとね。そこでダン・ヒックスを気に入った若者が飛びついたのがLEW LONDONの『SWINGTIME IN SPRINGTIME』だったんじゃないでしょうか?


 このルゥ・ロンドンのCDは1999年にEM RECORDSからリイシューされました。たぶん往年のブルーグラス・ファンのオヤジ達はCD化を喜んだと同時にさぞかし驚いたんじゃないでしょうかね?こんなの誰が買うんだ???って。


 それが新しいアコースティック・スウィング・ファンに受け入れられ、セントラル・パーク・シークスのリイシューとともに、当時かなりコアなブルーグラス・ファンしか知らないようなアルバムが多くの方の耳に届いて、それがまた正当に評価されたわけだから面白いよね。とにかく良い音楽は時代の移り変わりに関係なく、いつの時代に聴いてもその良さは変わらないわけなんですよね。


 この『SWINGTIME IN SPRINGTIME』は本当に良いです。ブルーグラス、カントリー、ジャズといった雑多な要素をミックスしたかのようなサウンドがとてもスウィンギーで、そしてなにより楽しい!オリジナルからトラディショナルまで捨て曲なしで最高にイカしてます。最大の聴きどころはやはり冒頭を飾るアルバム・タイトル曲かなぁ。ダン・ヒックスをもっとポップにしたようなサウンドなんだけど本当にオススメですよ!