addsomemusic2005-01-24



 60年代後半のサンフランシスコのバンドとしてはモビー・グレープは最高のバンドでした。サイケの本場ともいえるサンフランシスコですが、当時のジェファーソン・エプレインやグレイトフル・デッドなんかよりも全然かっこよくって、演奏力もあったし、それらのバンドなんかよりもサイケを感じます。


 もともとジェファーソン・エアプレインのオリジナル・メンバーだったスキップ・スペンス(彼のソロもグレイト!)を中心に結成されたバンドなんだけど、彼が在籍していた頃にリリースされた『MOBY GRAPE』と『WOW』は群を抜いて素晴らしいアルバムだと思います。


 ジャケのインパクトからか『WOW』がやたら評判良いように思いますが、個人的には1967年リリースの『MOBY GRAPE』が最高にイカしたアルバムだと思ってます。R&R、ブルーズ、フォーク、カントリー、サイケ・・・ありとあらゆる音楽の要素を感じ取れる雑食性と圧倒的な演奏力、もう最高としかいえないでしょ。


 モビー・グレープってよくフォーク・ロックでくくられてる感じがしますが、そんな枠に嵌めてしまってはモビー・グレープの良さは全然伝わりません。もっと自由奔放、縦横無尽なバンドなんですからね。


 このファーストは本当に捨て曲のないかっこいいアルバムで超オススメです。ロック色の濃い楽曲が多いんだけど、そんな中でも最高にメロウでフォーキーな「8:05」には震えます。イントロのアコギから美しいハーモニーが被さる瞬間は鳥肌が立ちますね。こんな美しい曲までやっちゃうんだからモビー・グレープの懐の深さには本当に恐れ入りますよね。