addsomemusic2005-11-26



 BEARの1968年にリリースされた唯一のアルバム『GREETINGS, CHILDREN OF PARADISE』。サイケなアルバムだと思っていたけど、改めて聴き返してみるとサイケ色はそれほど濃くなく、割とポップなグッドタイム・ミュージック的なバンドという感じでした(笑)。ラヴィン・スプーンフル系に近いものを感じさせますがサイキーなギターやアレンジが随所に見れますんで、サイケ・アルバムで良いかなと。テキトーですいません。


 BEARはエリック・カズ、アーティー・トラウム、スティーヴン・ソールズの3人組。エリック・カズはご存知のように『IF YOU'RE LONELY』といった名作を後にリリースしてるし、他のアーティストに多くの楽曲も取り上げられている素晴らしいソングライターでもあります。アーティー・トラウムはこの後、兄のハッピーとともにハッピー&アーティ・トラウムとしてウッドストックサウンドの名盤を残しています。スティーヴン・ソールズは後にディランのローリング・サンダー・レヴューに同行していますね。


 ボーカルはそれぞれ自身が書いた曲のボーカルを取っていると思います。基本的にエリック・カズはキーボードで、アーティー・トラウムがギターを弾いています。全曲オリジナルでメンバーそれぞれが共作も含めて書き上げてますがスティーヴン・ソールズが一番多く書いてるかな。エリック・カズは少ないながらもポップで印象的な楽曲を書いていますね。


 ウッドストックサウンドやフォーク系のアルバムで聴けたアーティー・トラウムのギターがここではなかなかサイキーでかっこよいです。まぁ彼のソロではかなりアグレッシブな演奏が聴かれるから、この頃からその片鱗は見せていたわけですね。エリック・カズのソングライティングも素敵です。時代を感じさせるサイケ・ロックな曲が多いスティーヴン・ソールズに対して普遍的な魅力を感じさせます。コーラスを効果的に使ってたりしてるのは、その後のソロでも伺えますね。個人的なベスト・トラックはエリック・カズの「DON'T YOU EVER WANT TO THINK ABOUT THEM?」で決まり。ビートルズっぽくてなかなか良いです。


 驚いたことはレコード・コレクターズの2002年5月号の特集「ニュー・スタンダード200」でこのアルバムが取り上げられていたこと。このテの名盤選の企画でBEARのアルバムが取り上げられたことなんて今までなかったんじゃないのかなぁ。CD化されていないんで罪作りな名盤選ですけどね(笑)。