addsomemusic2005-11-27



 さて日曜恒例の「人に歴史あり」。ほとんど私のカミングアウト・コーナーと化しているような気がしないでもないが・・・(笑)


 中学生になって音楽の素晴らしさに少しずつ気がつき始めたものの、まだごく普通の中学生レベルで、テレビなどで聴けるヒット曲が中心だったと思います。そんな私が中学2年生の時に大きな転換期を迎えることになりました。そう運命の1枚に出会ったわけです。


 仲の良い同級生の家に遊びに行った時のことでした。友人のラジカセ(ミニコンポだったかな?)から流れはじめた音楽に鳥肌が立ったんですよね。なんか体中に電流が走ったかのような衝撃でした。頭の上にガ〜ンと雷が落ちたかのような強い衝撃でした。「なんだなんだこれは???」という感じだった。今までも音楽は好きで聴いてきたんですが、ここで流れた音楽が自分がもっとも欲求していた音だったんですよ。「そうだ!こんな音楽が聴きたかったんだ!」とその一瞬にして開眼したような気持ちでした。


 そのアルバムこそが1981年にリリースされた大滝詠一の『A LONG VACATION』でした。


 当時(1984年)はすでに『EACH TIME』もリリースされていたんで、私は遅くにして大滝サウンドに出会ったわけです。その時に友人からそのロンバケとイーチ・タイムのカセットを借りて帰りました。友人自体は熱心なファンではなかったようです。ただ友人のお兄さんが確か大学生だったんで、当時大ヒットしていた大滝詠一のアルバムは基本アイテムとして所有していたようですね。


 その借りて帰ったテープをダビングし、そんな孫テープを繰り返し繰り返し繰り返し・・・聴き続けたなぁ。すぐにアナログをレコード屋に買いに行ったはず。その後はゴロゴロと転がるようにディープな音楽の道へと進んでいったわけです。何の変哲もない普通の中学生がこのたった1枚のアルバムのせいで、生涯「音楽」とは離れることができないライフ・スタイルへと変わっていったんですよね。


 全曲名曲のロンバケ。一番好きな曲なんて選ぶことなんてできないんだけど、私は敢えて「君は天然色」を選びます。だってラジカセから流れてきたこの「君は天然色」のイントロ一発でやられちゃったんですから。


 初めて聴いた時からもう20年以上も経ちます。それでも聴く度にあの時の感動が思い起こせる奇跡とも言えるような名盤だと思います。このアルバムは一生愛し続けていくと思います。


 あ〜文藝別冊「大滝詠一」を買いに行かなくちゃ!