addsomemusic2005-12-04



 今日、また一つ年をとってしまいました。これで四捨五入すると40の大台(笑)。そんな個人的な35年間の音楽史を紐解く「人に歴史あり」を書いている日曜日でございます。


 前回、大滝詠一に出会ってまさに音楽に開眼したわけですが、その後に「これがロックだ!」と痛感する出会いを迎えます。記憶が正しければ中3の時だと思いますが、生まれて初めて「これがロックだ!」と感じ、なんてカッコイイんだろう・・・と鳥肌が立つような思いをしました・・・それこそが佐野元春との出会いだったんですよね。


 どういった経緯で佐野元春を知ったのかは残念ながら思い出せません。友人に聴かされたのか、もしかしたら『ナイアガラ・トライアングルvol.2』で出会ったのかもしれません。でも佐野元春のヒット曲「ヤング・ブラッズ」を聴いて初めて衝撃を受けたことは間違いないと思います。


 「ヤング・ブラッズ」のプロモがとにかくカッコ良かった印象があります。確か路上(公園だっけ?)で歌ってたんだけど、道行く人が元春のパフォーマンスを見ていたりするシーンとかもあったりして、なんかドキュメンタリー的でとても印象が強かった。ただこの当時に見て以来、もう20年は見ていないんで記憶違いだったらスイマセン。


 中学に入ってニューミュージック系の洗礼を受けたわけだけど、それらをロックという意識で聴いていたわけではなかった。というより「ロックって何やねん?」という認識だったのかもしれませんね。そんな私に元春はまさに「若き血潮」が煮え立つような熱いパワーを感じさせてくれました。もうそれ以降は私にとって最高のアイドルになったと思います。


 その後、すぐに元春のベスト盤『NO DAMEGE』をゲットしました。買ったのか、友人に借りたのかは覚えてませんが、最終的にはちゃんと自分のお金で買いましたけどね。とにかくこの『NO DAMEGE』はノリの良い曲を中心に立て続けにハッピーなロックンロールが流れるという素晴らしいアルバム。まさにパーティーなんかに最適なゴキゲンな構成でした。とにかく聴き狂いましたね。間違いなく1000回以上は聴いたし、いまでも全曲ソラで歌える自信はあります。


 オープニングの「スターダストキッズ」が流れ始めた瞬間から鳥肌モノですよね。シングルとはバージョンが違ってこちらのほうがかなりカッコ良い(シングルのほうも好きですが)。代表曲「ガラスのジェネレーション」「サムデイ」と続く3連発は強力すぎます。カタカナだらけの「イッツ・オールライト」「ハッピーマン」「ソー・ヤング」なんて体が自然と動いちゃいますよね。「アンジェリーナ」とか「彼女はデリケート」とかいつ聴いてもカッコ良すぎ!大ネタ「ハートビート」や「ロックンロール・ナイト」を収録せず、アップ・テンポのコンパクトな曲を中心としたのがアルバムのコンセプトとしてとても良かったと思いますね。そんな中、数少ないスロー・ナンバーでも「情けない週末」とか本当に名曲です。で、ラストはまたもゴキゲンな「バイバイ・ハンディ・ラブ」で締めくくるという・・・もう堪んないですね!


 多くの音楽を吸収した今となっては、これはあれのパクリだとかツマンナイことが気になりだしますが、当時は純粋にカッコイイと思ってました。まぁ今でもカッコイイと思ってますけどね。なんかやたらとカタカナ(英語)が多い歌詞や一気に畳み掛けるように歌うボーカル・スタイルといい、ディランやスプリングスティーンなんかを知らなかった少年には今まで聴いたどの音楽よりも激しくビートが利いていて疾走感を感じてました。


 アルバムはもちろんシングル盤まで全て集めました(今でもシングル盤は全て友人宅に残っいるらしい)。『VISITORS』の良さに気がつくのには時間がかかりましたが、初期の3枚の瑞々しいまでのロックンロールは今でも私の中の「若き血潮」をたぎらせるには十分すぎるくらい素晴らしいアルバムだと思います。