addsomemusic2006-01-12



 ママス&パパスは60年代に「夢のカリフォルニア」とか「マンデー・マンデー」といったヒット曲を歌ってる素晴らしいフォーク・ロック・グループ。なんといってもそのハーモニーの素晴らしさは特筆モノですよね。


 ママパパはメンバー4人全員がソロ・アルバムをリリースしています。そのどれもが素晴らしい名盤ばかりなんですが個人的にはやはりママ・キャスでしょうね。そうママパパの太ったほうの女性です。ボーカル自体は声は低いんですが、歌の上手さは本当にママパパの中でも一番だったと思います。


 ママ・キャスはソロを何枚も出していてどれも良いんですが個人的には1968年にリリースされた1st『DREAMS A LITTLE DREAM』がよく聴いてるかな。彼女は自身で曲を書くわけではないんで、他人の楽曲を取り上げるんだけど、それがまたセンスいいんだよなぁ。このアルバムのプロデュースはジョン・サイモンなんで、彼の意向が大きく反映してるのかもしれませんが。ここではジョン・サイモン、サイラス・ファーヤー、ジョン・セバスチャン、リチャード・マニュエル、レナード・コーエン、スチャワート・シャーフ・・・などの優れたソングライティングのアーティストの楽曲を歌ってくれています。


 一番の聴きどころはオープニングを飾る「DREAM A LITTLE DREAM OF ME」かな。いまやスタンダード化したこの曲をしっとりと歌ってくれています。でも前奏とかにヘンなコラージュとか付いていていかにも60年代末のフラワーな時代を感じさせれるアレンジになっています。この曲って本当にカバーが多いですよね。ジョン・セバスチャン・フリークの私としては名バラードの「ROOM NOBODY LIVES IN」が嬉しいです。この曲もカバーが多いけど、意外にもエルヴィス・コステロのカバーがなかなか優れてるんで興味のある方はぜひ!


 他にもリチャード・マニュエルの「BLUES FOR BREAKFAST」はディラン&ザ・バンドの『地下室』に「ORANGE JUICE BLUES」というタイトルで収録されている曲。こんなシャッフル調の曲ってママ・キャスによく合ってるような気もします。「WHAT WAS I THINKING OF」はなかなか哀愁漂うバラードで、これはママ・キャスの妹、リア・カンケル作。ちなみにリア・カンケルの夫はドラマーのラス・カンケルですね。リア・カンケルのアルバムもまた良いんだ〜。これもぜひ聴いてみて!そしてラストはサイラス・ファーヤーの『CYRUS』に収録されている「SWEET BELIEVER」で締めくくります。


 全体的に60年代末のヒッピー&フラワーな印象が強いんですが、やはりママ・キャスの歌唱力と楽曲の良さで通して楽しめる素敵なアルバムだと思います。オススメ!