addsomemusic2006-02-08



 なんとVIRGIN INSANITYの1971年リリースの唯一のアルバム『ILLUSIONS OF THE MAINTENANCE MAN』がP-VINEからCD化されました。自主サイケの激レア盤にしてサイケの名盤として欧米でもコレクターが血眼になって探しているというアルバム。よくまぁこんなのがCD化されるなぁと思わなくもないけど、世のサイケ・フリークってのは結構多いんですよね。


 P-VINEのサイトを見てみたらなんとも興味を掻き立てられるようなコメントが付けられてました。

これはテキサスで採掘された原石状態のスラップ・ハッピーだ!" (渚にて/柴山伸二)

アコギにシンプルなドラムでうたとコーラスのみが織り成す不純物混じりっ気なしの水彩画のような「うた世界」。音楽の原点を見せられる。1971年ボブ・ロングが自主制作で作ったアコースティック・バンド=ヴァージン・インサニティー
プレスも極少数ながら『レコード・コレクターズ』「サイケ/フォーク特集」で話題となり、400枚だけアナログ化されたが即売り切れ。オリジナル1stにデモ音源となる未発表の6曲プラス。超貴重盤にして名盤!
紙ジャケット仕様。解説(柴山伸二/渚にて、ボブ・ロング)・歌詞/対訳付。


 確かにこのコメントのようにギターにドラムとボーカルのみの女性を含む4人組のバンドです。リード・ボーカルは男性と女性がともにとっています。コメントに書かれてる400枚のアナログというのは再発盤のことでオリジナルは200枚プレスのみというもの。ジャケも白い紙にスタンプが押されているというだけのまさに自主盤の鏡のような存在(笑)。


 さて世間的には全くの無名と言っていいこのバンドのリイシューCD。これだけの情報でどれだけの人が興味を持ったのでしょうか?コメントを読む限りかなり良さそうでしょ。


 でもねぇ普通のロック好きな方はやめたほうがいいです。ハッキリいってショボイです。めちゃチープな音でボーカルも不安定でかなり頼りない。ほとんど学生バンドが卒業記念に製作した自主盤といった趣です。いわゆるサイケという世界に足を突っ込んだことがない方には異質な世界だと思いますよ。


 私? はい、大好きです(笑)。このチープ感が堪りません。シンプルなサウンドにドリーミーな楽曲たち。水彩画のような「うた世界」とはよく例えたもので、そんな世界観が痛烈に響き渡ります。いったん聴き出すと何度もリピートしちゃうような魔力が秘められてます。


 何度も書きますが全く一般受けするような内容ではないです。雑誌やHPなどのコメントだけで「良いのかな?」なんて思うと痛い目に合うかもしれませんよ。ただ好きな人はかなり好きです(笑)。そんな世界がこのアルバムには潜んでいます。