addsomemusic2006-03-12



 大学生の時でした。相変わらずの70年代アメリカ志向を突き進むと同時に友人の影響で邦楽もいろいろ聴き始めていました。そんななか、音楽雑誌のアルバム評(だったっけ?)を見て何の予備知識もなく買ったのはフリッパーズ・ギターの1989年にリリースされた『海に行くつもりじゃなかった』でした。単にジャケが気に入ったのと爽やかなポップスかな?というくらいの軽い気分で買ったんですよ。これがねぇ・・・ハマった(笑)


 全曲がキラキラと眩しいばかりの青春ポップ・チューン。70年代の渋いアメリカン・ロック専門だった私は80年代のUK、いわゆるパンク以降のネオアコやギター・ポップのことなんて全く知る由もなかったですから。アズテッック・カメラ?オレンジ・ジュース?何それ?でした。そんな予備知識なんて全く必要がないくらいに素敵なアルバムでした。ボーカルは異様に線が細くてへタッピでしたが、胸を突くポップな旋律には特別なものを感じましたね。アコギの使い方が印象的だった。「COFFEE MILK CRAZY」「EXOTIC LOLLIPOP」・・・タイトルからしてなんとも可愛らしい。個人的なベスト・トラックは「GOODBYE, OUR PASTELS BADGES」でキマリ!


 その後、大好きな渡辺満里奈が目当てで見ていたドラマ『予備校ブギ』の主題歌にフリッパーズ・ギターの「恋とマシンガン」が使われた時も「やられた!」と思いましたからね。ダバダバなコーラスが素敵すぎる曲で更にフリッパーズの深みにハマっていくことになりました。2ndの『カメラ・トーク』は歌詞が日本語になりましたが、全くレベルは変わらない永遠の青春アルバムの様相でした。


 その後、今では死後となってしまった「渋谷系」といわれる音を熱心に聴き始めます。それと同時に80年代のUK、いわゆるネオアコと呼ばれてる音も聴き始めました。elなんて結構買ったぞ(笑)。私の音楽人生で唯一UKを聴いた数年間でしたね(笑)。


 フリッパーズ・ギターがデビューしたのは私が大学生の時でしたが、もし私が中学生の頃に出会っていたとしたら私の音楽人生は今と大分変わっていたと思います。