addsomemusic2006-03-24



 どうもナイアガラ関連が再発されるとここで取り上げるのが恒例行事らしいので取り上げておきます(笑)。ちょっとCD屋が開いてる時間に帰れなかったもんで本日ようやく買ってきました『NIAGARA TRIANGLE VOL.1 〜30th Anniversary』なんですが、ここに来られる方はみんな知ってますよね。大滝詠一山下達郎伊藤銀次の3人によるいわゆるオムニバス・アルバムで1976年にリリースされました。ナイアガラの諸作の中では人気盤かな?


 実は個人的にはそれほど好きなアルバムではないです。全体を通して聴いてみて、いかにも当時のナイアガラらしい質感はそなえてるし、収録された楽曲のレベルも高い。バラエティに富んでいてポップスからノベルティものや、怪しい音頭まである珠玉混載な肌触り。ただ、達郎や銀次が各4曲を持ち寄ってるのに対して大滝詠一は3曲。それも自身がボーカルをとっているのが1曲だけというのがなんとも寂しい。これが原因でナイアガラの諸作の中でも個人的にはあまり聴いていないアルバムなんですよね。大滝詠一の作る曲も大好きなんですが、それと同じくらいに彼のボーカルが好きなんですよね。そのボーカルがほとんど聴けないのがねぇ・・・


 精細を書欠いている大滝ながら、「ナイアガラ音頭」という快作が収録されているのは忘れるわけにはいきませんよね。布谷文夫の強力で個性的なボーカルによる功績も大きいけど、やはりこれはアイデアの勝利でしょう。ここまでくると前衛の域です(笑)。世のナイアガラーはこの快作に満足するかもしれませんが、普通のポップス・ファンには「何これ?」でしょうねぇ。だって基本的に音頭だもんなぁ(笑)。大滝関連ではヨーデル唱法もとびでるカントリー・タッチな「夜明け前の浜辺」がなかなか良いが、「FUSSA STRUT PART1」は「〜PART2」のグルーヴィーなファンキーさにはイマイチ及んでいないかな。


 山下達郎伊藤銀次はかなり良い曲を提供してるし歌・演奏ともにグレイトだと思います。なんといっても1曲目の山下達郎の「ドリーミング・デイ」がベスト・トラックでしょう!坂本龍一のピアノのイントロから「カモン・ベイブ」の声が入る瞬間はいつ聴いても鳥肌が立ちます。素晴らしすぎるポップスの名曲。いかにも個人スタジオな福生45スタジオでの録音が生々しく耳に届きます。音の厚みは狙ったものなんでしょうが、これが最高。演奏のグルーヴ感も文句ないし間奏でのホーン・セクションからコーラスに至るまで完璧な作りだと個人的に思っています。銀次のほうはやはり「幸せにさよなら」でしょうね。シングル・バージョンでは3人のボーカルが交互に出てくるという摩訶不思議なバージョンになってましたが、アルバムのほうでは銀次のソロになっています。これは大正解で間違いなくアルバム・バージョンのほうが素晴らしい。素直に良い曲。ハーモニカが全編で流れてるのがかなり効果的で、このハーモニカがポイントですよね!とにかく達郎・銀次の楽曲は本当にレベルが高いです。


 今回の30周年記念盤には5曲のボーナス・トラックが付いてます。でもそのうち3曲のシングル・バージョンは前回のCDにも収録されたんで、目玉は残りの2曲ということかな。「あなたが唄うナイアガラ音頭」は「ナイアガラ音頭」のカラオケで、シングルのB面に収録されていました。そこで、まさに蔵出し!ともいえる「ココナッツ・ホリデイ3日目」がスゴイ!なにがスゴイって・・・まだ聴いてない人がいると思うのであえて書きませんがとにかく強力です(笑)。


 ボートラではないんだけど、何気に本編の「ココナツ・ホリデイ'76」が従来のCDではフェード・アウトするバージョンだったのに、アナログ仕様のフル・バージョンに差し替えられているのに驚いた(笑)。


 さてさて、これで何枚目の『NIAGARA TRIANGLE VOL.1』なんだろう(爆)