addsomemusic2006-09-10



 SSWのアルバムなんて星の数ほどあるわけで、その中で何を基準に購入するのか?と聞かれても難しいなぁ。ある程度の認知度があればチョイスし易いけど、まったく未知なるシンガーだと、私の場合はほぼ「ジャケ買い」ということになります。今回取り上げるMICHAEL JOHNATHONも全く知らないアーティスト。じゃぁこれもジャケ買い?と聞かれると言葉に詰まるけど(笑)、まぁなんだかビビッとくるものがあったんですよ。で、買ってみて「アタリ」だった1枚でニンマリなんです。誰か詳しい方、彼のこと教えてくださいよ〜!


 MICHAEL JOHNATHON・・・なんともありふれた名前。MICHAEL JOHNSONと勘違いしましたから(笑)。1981年リリースの『THE BLAST』なんだけど、黒地に文字だけというシンプルなジャケ。とてもSSWのアルバムとは思えない装丁で玉砕覚悟でゲットしたんですよね。1曲目に針を落としたら、いきなり「ビヨ〜ン」ってMOOGの音が・・・こりゃ玉砕か??と思ったら、なんとも染みるメロディじゃないの。どちらかといえば暗めなアシッド寄りの雰囲気がアルバム全体に醸し出されていて、自主系の音が好きな方にはツボなんじゃないの?


 全曲彼のオリジナルで、スローで淡々としたものが多いけど、なかなか染みます。プロデュースもアレンジも自身の手によるもので、ケンタッキーでの録音のようです。限りなく自主盤かマイナー・レーベルのもののような気がするけどどうなんでしょ。基本はアコギと歌を中心とした音作りで、先に書いたMOOGとかピアノやフレンチホーンが入る曲もあります。バンジョーが入る曲はやはりカントリー・フレイヴァーを感じさせますが、あくまで味付け程度でもちろんカントリーではない。まあアメリカのSSWにはカントリーの要素を感じさせる曲は付き物ですからねぇ。


 MOOGが効果的な装飾を施している「THE BLAST」はなんだかグッとくるメロディなんですよね。2分にも満たないインスト曲「HUDSON RIVER BREAKDOWN」はバンジョーが印象的。この曲にはdedicatedとしてPEET SEEGERの名前が書かれています。小品を挟んでの「MARY ANN」はスローで染みるナンバー。消え入りそうなボーカルが儚さを漂わせています。これまたスローなフォーキー・ソング「WESTWIND」は個人的なベスト・トラック。「PRELUDE」「THE PAINTER」にはdedicatedとしてDON MCLEANの名前が書かれています。先のPEET SEEGERといい、彼のルーツが垣間見れますね。ブルージーでボーカルに力が入ってる「BABYLON BLUES」などどれも良いですね。


 通して聴いてみて確かに飛びぬけた楽曲はないです。全体的に暗い印象が強い。説明できないんだけど、なんだか奥深くに秘められた魅力を感じ取れるんですよ。そんな魅力に釣られて時折聴きたくなります。これが音楽の持つ魔法なのかもしれませね。こんな出会いがあるからレコ掘りは止められないんですよね。オススメ!



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