addsomemusic2006-11-02



 なんだか無性に斉藤哲夫が聴きたくなって取り出してきたのは1974年リリースの『グッド・タイム・ミュージック』。これは3枚目かな。前作『バイバイグッドバイサラバイ』同様に素晴らしいアルバムで、タイトルそのままの素敵なグッドタイム・ミュージックを聴かせてくれています。


 斉藤哲夫といえば「いまの君はピカピカに光って」なんでしょうか?1980年の大ヒット曲。当時小学生だった私もこの曲が使われたCMはよく覚えています。CMのみならず楽曲自体にじゅうぶんインパクトはあったんでしょうね。もちろん世代的に後追いなんですが斉藤哲夫の70年代の諸作を聴いてると「いまの君はピカピカに光って」はやはりちょっと違うよなぁ・・・なんて思ってしまいます。それは私が『バイバイグッドバイサラバイ』『グッド・タイム・ミュージック』『僕の古い友達』といった70年代のソニー時代の音が大好きだからなのかもしれません。これがもしアングラ・フォーク好きだったらURCからの1st『君は英雄なんかじゃない』やボーカルで参加した『溶け出したガラス箱』(これは本当に傑作)こそが最高!というのかもしれませんね(笑)。


 思わず「SSWの裏名盤」で取り上げようか?と思ったくらいの愛聴盤・・・といっても久しぶりに針を落としたんですが(笑)。久々に聴いたけど、やはり温かみのある素敵なアルバムだと再認識しました。いわゆるフォーキー系のアルバムで、彼のセンス溢れる楽曲が詰まっています。先に「温かみ」のあると書きましたが、これは彼の書く詩にも大きく関係していると思います。「どうぞよろしく」「野沢君」「ランランラン」「ウーウー」「助けて!MR.幻某氏」「南部春待ち疲れバンド」・・・なんて曲名だけだとコミックソング?なんて思っちゃうじゃない。こんなセンスが個人的には好きなんだよなぁ。


 白井良明瀬尾一三、駒沢祐城、チト河内グループなどしっかりとしたバック陣を従え、なんとも独特なボーカルを聴かせてくれます。裏声というのかファルセットというのか、そんなのが絶えず飛び出るのが彼の特徴か?まぁ苦手な人は苦手なのかも(笑)。割とバラエティに富んでいてシンプルな曲からロック色の濃いものまであって、なかなか楽しめますね。


 全15曲も収録されてるけど短い曲が多いんで通して心地よく聴けます。名盤だと思います。


GOLDEN J-POP/THE BEST 斉藤哲夫

GOLDEN J-POP/THE BEST 斉藤哲夫