addsomemusic2007-06-06



 久々にニルソンを聴いてます。名盤の多いニルソンですが、1番取り上げられることがない『FLASH HARRY』でも。ネット上でもこのアルバムに関するコメント等はほとんど読んだことがありません。やはりCD化されていないのが1番の原因なんでしょうけどね。ニルソンのアルバムで唯一未CD化となっているアルバムなんですが、内容はそれほど悪いもんではない。


 ハリー・ニルソン名義で1980年にリリースされたニルソンのラスト作。決してまとまりのある内容ではなく、どちらかといえば混沌としたものともいえます。クレジットを見る限り過去のアルバム制作時のアウトテイク集といったほうが近いようなものなのかもしれません。もちろんアウトテイクではなく当時として新しい録音のものもあるんですけどね。それからプロデュースがスティーヴ・クロッパーだというのも驚きます。


 オープニングからして不思議なんですよ。「HARRY」と題されたオープニング曲はエリック・アイドルとチャーリー・ドアの手によるもの。そんなハリー賛歌を歌っているのもエリック・アイドルとチャーリー・ドアなんだから面白い。続く「CHEEK TO CHEEK」でようやくニルソンの歌声が聴けます。この曲はロウエル・ジョージとヴァン・ダイク・パークスとの共作で、ロウエル・ジョージのソロに収録されていました。「OLD DIRT ROAD」はニルソンとジョン・レノンとの共作。『PUSSY CATS』の頃に書かれた曲なのかな?他にもヴァン・ダイク・パークスリンゴ・スターとの共作があったりと、なかなか話題性も豊かな楽曲が揃っています。純粋なソロ・アルバムというよるも企画盤といった雰囲気が漂っていますね。レゲエ調や得意なロッカバラードがあったりと、バラエティに富んだ内容で、結構楽しめるんですよね。まぁ名盤とは呼べませんが(笑)。


 その昔、ニルソンのアルバムを集めていたんですが、やはりこのアルバムが1番手に入らなかった。中古屋に行けばニルソンのアルバムなんて割と容易に買えたんですけど、このラスト・アルバムだけは見つからなかったんですよ。で、東京に遊びに行った時にディスク・ユニオンでこのアルバムを見つけた時は嬉しかったなぁ。確か600円くらいだったはず(笑)。見つかる時ってのはだいたいこんなもんなんですよね。