addsomemusic2007-10-22



 いわゆるリバイバル・ジャグ・バンドがブームとなったのは60年代。でもそれ以降もアメリカの地では現在に至るまでジャグ・バンド文化は根強く続いています。現在ではかなりマイナーな部類に入っちゃいますけどね。70年代の時点でジャグ・バンド自体かなり古臭い音楽だったんでしょうが、そのシンプルで陽気なアコースティック・サウンドを奏でる素敵なバンドは山のようにいます。アメリカ以外でもそんなジャグ・バンド野郎どもが活動をしていました。オーストラリアを代表するイカしたジャグ・バンドにTHE CAPTAIN MACHBOX WHOOPEE BANDがいます。彼らは70年代オーストラリアのジャグ・バンドの最高峰というより、米国も含めて70年代のヒッピー・ジャグ・バンドの最高峰といっても過言ではないでしょう。


 そんな彼らの1973年にリリースされた1st『SMOKE DREAMS』を聴いています。彼らは何枚かアルバムを残してますが、これが間違いなく最高傑作でしょう。MICK CONWAYを中心として、イカしたジャグ・バンドの演奏を聴かせてくれています。「NAGASAKI」やファッツ・ウォーラーの「MYSELF LETTER」とかその解釈も見事でゴキゲンです。個人的にハーモニカの演奏が最高な「I'M GONNA SIT RIGHT DOWN AND WRITE」がベスト・トラック。MICK CONWAYのボーカルはちょっとダミ声で下世話な雰囲気が漂っていますが、まぁジャグ・バンドなんでそんなに上品である必要もないしね。基本的に楽しければいんですよ。


 オーストラリアのバンドですが、これはちゃんと米国でリリースされています。それもなんとESPからのリリースってのが面白い。まさかESPからジャグ・バンドのレコードが出ていたなんて!・・・なんて思う方もおられるのでは。当然ですがアシッドなテイストはこのアルバムには存在していません。


 このバンド以降もMICK CONWAYは数々の素晴らしいジャグ・バンドなアルバムを残してくれています。MIC CONWAY'S NATIONAL JUNK BAND名義でリリースされた諸作もかなりゴキゲンなんで見かけたらぜひ!