addsomemusic2007-11-10



 遂に出ました!ジョン・セバスチャンの新作です。まさかジョン・セバスチャンの歌声が新作として聴けるなんて!年取ってもまだまだ現役。嬉しいですねぇ。オリジナル・アルバムとしてはJOHN SEBASTIAN & THE J BAND名義でリリースされた『CHASIN' GUS' GHOAST』以来じゃないかな?あれが1999年のリリースだったんで、かなりのインターバルですね。まぁその間もハーモニカやギターでゲストで参加したものはあったけど彼の名前が入ったアルバムとしては本当に久しぶりですね。NRBQ with JOHN SEBASTIANの『LIVE AT THE WAX MUSEUM』ってのも出てたけど、これは全曲で参加してるわけではないし、内容は1982年のライブだからねぇ。


 そんなわけで、ただいまのBGMはJOHN SEBASTIAN & DAVID GRISMANによる『SATISFIED』なり。ご覧の通り、デヴィッド・グリスマンとのデュオ・アルバムです。とはいってもデヴィッド・グリスマンは歌はないんで(コーラス程度)、インスト曲以外ではジョン・セバスチャンの歌声が堪能できます。ジョン・セバスチャンはボーカルの他にはギターやハーモニカといった程度で、デヴィッド・グリスマンもマンドリンを各種弾いてます。この二人だけによるシンプルな演奏で、ほぼライブ録音でしょう。


 前回、ジョン・セバスチャンが来日した時に見たんだけど、もうボーカリストとしてはかなりキビシイものを感じました。たまたまその時が調子が悪かっただけなのかもしれませんが、でもこのアルバムでは、まだまだ彼の優しさ溢れる歌声は健在ですね。声質は随分低くなっちゃったけど、その分落ち着いた印象で丁寧に歌ってくれています。そんな素敵な歌声に彼のギターやデヴィッド・グリスマンによるマンドリンの演奏には文句の付けようがありませんね。あ〜もちろんハーモニカの演奏は最高です!


 取り上げた曲もアメリカン・ルーツを感じさせるものばかり。「I'M SATISFIED」や「COFFEE BLUES」といったミシシッピジョン・ハートの曲素晴らしさ。ジョン・セバスチャンは本当に彼が好きだったんでしょうね。ラヴィン・スプーンフルというバンド名は「COFFEE BLUES」の歌詞から取られています。そのラヴィン・スプーンフルのナンバーも「IT'S NOT TIME NOW」と「COCONUT GROVE」の2曲を取り上げてますね。ここらあたりの曲を選んでくるとはなかなか面白いですね。特にこんなシンプルなアコースティック・デュオの演奏で「COCONUT GROVE」だなんて!


 「STRINGS OF YOUR HEART」「PASSING FANTASY」は新曲なのかな?違ってたらゴメンナサイ。少なくとも私が持ってるセバスチャンのアルバムには収録されていませんので嬉しいですね。J BAND時代のレパートリーだった「JUG BAND WALTZ」で幕を閉じるんだけど、最後にちょこっとだけシークレット・トラックが!


 とにかく落ち着いていて、なかなか枯れた味わい。今の季節にピッタリな1枚だと思います。


 れっきとしたジョン・セバスチャンの新作なんで「ジョン・セバスチャンの細道」というのは間違ってるんだけど、久々にこのカテゴリーを復活させてみました。今、私の中では「ジョン・セバスチャン祭り」が開催中でございます。


Satisfied

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