addsomemusic2007-11-12



 ただいまのBGMはKC HUMPHREYの『FOR A SMILE』なり。1975年の自主盤かな?もちろんKC HUMPHREYについて何の情報も持ち合わせておりません(笑)。でも自主フォークの世界で、海外ではそれなりに認知されてると思いますが、日本での認知度は皆無に近いでしょう。青地にイラストのジャケからして何かを感じさせるものがあると思いません?お世辞にも上手い絵ではないですけどね。


 内容のほうも自主盤の名に恥じないもの(笑)。歌はもちろん全ての演奏をKC HUMPHREYが一人でこなしているようです。といっても多重録音といった類ではなく、ギターやキーボードによる弾き語りといった感じ。それもチープな録音でモコモコした音質。でもねぇ、これがいいだ(笑)。1曲トラディショナルがあるけど、他は全て彼の手による楽曲。素直でメロディアスな歌の数々には引き込まれるものがあります。素敵な歌の数々はシンプルでチープな演奏でもその輝きは失わないという典型でしょう。自主フォークと呼ばれるような音ですが、アシッドな感覚は希薄なんでとても聴きやすいと思います。「ZOOMINGS」や「FOR A SMILE」なんてしっかりとしたサウンンド・アレンジで演奏されていたらメジャー級のポップ・ソングに成り得たと思います。そんな素質と可能性を秘めた優れたアーティストが埋もれてしまっている事実にアメリカの広大さを感じずにはいられません。


 大袈裟かもしれませんがMARK HENLEYの『RIVERSONG』に通じるような音楽センスを感じます(同じような音ではないです)。ある種、絶対的な普遍性を持ったグレイトな1枚でしょう。でも、分かる人には分かるといった聴き手を選ぶ1枚なのかもしれません。だってほとんどデモ録音のような部類なんだもん(笑)。だからこそ、アーティストの「素」の部分が見えるんでしょうけどね。個人的には「激オススメ!」だけど多くの方にはオススメしません(笑)。