addsomemusic2008-07-13



 基本的にブラック・ミュージックの類は全く聴きません。でも50年代のドゥワップは大好きです。熱心にシングル盤を集めたりするようなことはないんですが、ドゥワップのコンピCDなどをダラダラ流して聴いてると、思わず一緒に歌いたくなってきますよね。でもクセのある黒人によるボーカルよりも、淡白な白人ドゥワップになんか惹かれる私は、やはりブラック・ミュージックが合わない人なんでしょうね。


 ドゥワップの黄金期は50年代ですが、その流れは現在に至るまで米国のストリート・ミュージックとして健在です。白人ドゥワップで最も好きなアルバムはKENNY VANCEの1975年にリリースされた『VANCE 32』。70年代ということもあり、洗練されたサウンドだし、もちろんドゥワップではない曲もある。でもここには昔から続くストリート・シンフォニーの素晴らしい魅力が凝縮されているんですよ。


 ケニー・ヴァンスは元ジェイ&アメリカンズのメンバー。そこでも素敵な歌声を聴かせてくれていました。満を持してなのか、紆余曲折あったのかは知る由もありませんが、1975年のこの1stでは恐らく彼が青春時代を過ごした「歌」とともに成り立っています。多くのドゥワップ・クラシックとともに、最後のドゥワップ・クラシックとさえ言われる不朽の名曲「LOOKING FOR AN ECHO」まで、そのどれもが熱く胸を打ちます。


 ロック好きの方には、ベッカー&ドナルド・フェイゲンというスティーリー・ダン組による楽曲が2曲収録されてるところが注目でしょう。ちなみにウォルター・ベッカードナルド・フェイゲンはジェイ&アメリカンズの準メンバーでした。



ヴァンス32(紙ジャケット仕様)

ヴァンス32(紙ジャケット仕様)