addsomemusic2008-11-08



 10月に取り上げようと思っていたんだけど、すっかり忘れてたアルバム。ただいまのBGMは林ヒロシの『とりわけ10月の風が』なり。1975年に自主制作で作られた彼の唯一のアルバムなんだけど、日本のフォーク・アルバムの中では個人的にトップクラスで大好きなアルバムです。


 いわゆる高田渡直系の音(いわゆる60年代マウンテン・フォークの影響)・・・というと分かりやすいかな?ただあそこまで極端でなく、やはり70年代を体感したセンスが漂っています。アコギを中心としたシンプルな演奏中心ですが、曲によってはなかなかファンキーなのからトーキング・ブルースなどもあって彼の非凡なセンスがうかがい知れます。ただボーカリストとして大人しい感じで、高田渡のような個性的というにはほど遠いですが、これはこれで悪くないと思います。クセがない分、ストレートに耳に届くんですよね。バックに若き日の坂本龍一が参加してるが興味深いですね。朝比奈逸人や佐久間順平らの参加には分かる人にはニンマリです。佐久間順平は大江田信とともに林亭を組んでいた人で、林亭は『夜だから』において林ヒロシの詩を歌ってたりもしてました。あと収録曲の「シャンソン」は早川義夫のカバーですね。


 林ヒロシも今では本名の小林政広として映画監督になっているそうです。その辺は専門外なのでよく知りませんが。


 こんな自主制作盤もCD化されているんですよね。ただオリジナルのモノクロの写真(高田渡の撮影)がイラストに変わっちゃって魅力が半減しちゃっています。あと、不適切用語があるとかで、CDでは数箇所で音声処理されちゃっています。歌詞カードも○○と伏字になってました。元が何だったのかはアナログ持ってるんで知ってるんですが、敢えて書かないでおきましょう(笑)。


 万人ウケするような類のアルバムではないです。でもフォーク系の音がお好きな方にはオススメいたします。超名盤です。


とりわけ10月の風が

とりわけ10月の風が