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ただいまのBGMは高田渡の1971年にリリースされた『ごあいさつ』なり。高田渡・・・もうかなり大好きです。なにがどうってのはないんだけど、愛さずにはいられない存在なんですよね。彼のアルバムの中ではこれが一番好きです。ジャケにファースト・アルバムと書かれていますが、これはベルウッドでの1stということ。これ以前にURCから五つの赤い風船とのスプリット・アルバムや『汽車が田舎を通るそのとき』というアルバムをリリースしています。
高田渡の音楽性といえば50〜60年代のフォーク、それもウディ・ガスリーやピート・シーガーといったあたりのサウンドの影響が強い。詩に重きを置くタイプで、割りと淡々としたメロのものが多く、聴く人によれば全部同じメロディに聴こえるかかもしれません(笑)。でも彼の人柄がにじみ出るような語り口調に、個性的な詩がなんとも染み入るんですよね。
基本的に「詩」に重きを置いていた人だと思うんですが、このアルバムから大きな変化が感じられます。URCの頃のアルバムでは自作の詩が中心ですが、ここでは他の詩人の手による詩に曲を付けています。山之内獏を筆頭に現代詩人の個性的な詩と高田渡の感覚が上手く合ったんでしょうね。この後も積極的に山之内獏は取り上げていきますし、ベルウッドの3作ではこの方向性が顕著に現れていますね。
淡々としたフォーク・アルバムだと地味だったり暗くなりがち。まぁこれもそんな感じではあるんですが、彼の他のアルバムと比べ、ウイットに富んだ感じはします。「ごあいさつ」「値上げ」といった日本語の面白さを感じさせる詩を取り上げているのが大きいのかもしれませんね。代表曲「コーヒー・ブルース」「自転車にのって」「銭がなけりゃ」「生活の柄」あたりの名曲(?)も収録されていますね。「日曜日」「銭がなけりゃ」は前作『汽車が田舎を通るそのとき』にも収録されていますし、「しらみの旅」は『高田渡/五つの赤い風船』に収録されていました。
バックにはっぴいえんどや中川イサト、加川良、木田高介、岩井宏、遠藤賢司が参加しているのも見逃せないですね!
- アーティスト: 高田渡
- 出版社/メーカー: ディウレコード
- 発売日: 2007/05/25
- メディア: CD
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