addsomemusic2009-01-11



 なんとなく取り出して聴いてるのはWEST COAST POP ART EXPERIMENTAL BANDの1966年にリリースされた『VOLUME ONE』なり。この後、リプリーズから数枚のアルバムを出してますが、これはそれ以前の自主制作盤リプリーズでの最初のアルバムは『PART ONE』というタイトルですが実際には2ndという紛らわしいバンドです(笑)。


 WEST COAST POP ART EXPERIMENTAL BANDはその名の通り、ウエスト・コーストのポップでアートなサイケ・バンドで、フォーク・ロック〜ソフト・サイケ寄りのサウンドでメロウな一面とともに、フランク・ザッパとの交流もあるよう、なかなかサイケ且つフリーキーな一面も持つバンドです。そのリプリーズからのアルバムはどれもサイケの名盤の名に恥じないようなものでしょう。


 で、この『VOLUME ONE』なんですが、後のサイケ色は薄く、ポップなガレージ・バンドといった様相。B級感覚満載で「ナゲッツ系」とえばしっくりくるかな。カバー曲中心なんですが、曲によっては非凡なモノを強烈に感じさせてくれます。ジャズの定番「WORK SONG」からR&Bのスタンダードともいえる「LOUIE, LOUIE」、ディランの「IT'S ALL OVER NOW, BABY BLUE」「SHE BELONGS TO ME」やキンクスでお馴染みの「YOU REALLY GOT ME」など、音楽性は幅広く、どれもポップ且つ軽快なギター・サウンドで歌われています。聴き所はディランのカバーとキンクスの「YOU REALLY GOT ME」かな。特に後者はベスト・トラックでしょう。


 世間的にはあまり評判の高くないアルバムですが、個人的には結構好きです。ガレージ・バンドやギター・ポップ系の音が好きな方ならこのアルバムの魅力の一端は伝わると思います。


 このアルバム、サイケ好きの方には激レアで有名です。どれくらいレアかといえば、ジャケ付きで現存しているのが数枚だけという博物館クラス。USサイケでは最もレアな1枚だそうです。もちろん私がそんなレア盤を持ってるはずもない。粗悪なブートのアナログ盤ですが、オリジナル・ジャケ仕様なのが嬉しくて大事な1枚だったりしています。