addsomemusic2009-06-08



 ウッドストックサウンドと呼ばれている音が大好きです。ウッドストックサウンドなんて、なんとも曖昧ではありますが、そのサウンドからはどれも共通するサウンドが感じ取れます。ウッドストック界隈に集まったアーティスト達によって奏でられた演奏の一つ一つはどれも地に足がついたもので、自分達の「今」とアメリカの素晴らしき「伝統」を上手くミックスさせて、なんともいえぬ独特のサウンドを放っていました。70年代前半に音楽の中心はウエストコーストへ移っていきましたが、そんな時代の流れとは関係のない世界観がウッドストックサウンドを芳醇なものにしたんだと思います。


 ウッドストックサウンドと呼ばれているもので個人的に昔から大好きなのはTHE BANDの『THE BAND』、BOBBY CHARLESの『BOBBY CHARLES』、そしてHAPPY & ARTIE TRAUMの1971年にリリースされた『DOUBLE-BACK』の3枚に尽きます。この3枚の素晴らしさといったら語りつくせないほどですし、もう永遠の愛聴盤といえるでしょう。


 ザ・バンドやボビー・チャールズのアルバムに比べ、ハッピー&アーティ・トラウムの『DOUBLE-BACK』はいささか知名度低いかもしれませんが、内容のほうはバツグンに素晴らしいです。ベアズヴィル・スタジオで録音され、ベアズヴィル界隈のアーティストも多く参加しています。中でもエイモス・ギャレット、エリック・カズの参加は見逃せませんね。もう典型的なウッドストックサウンドザ・バンドと違いフォーク畑出身なので、アルバム全体的にフォーキーな味わいがあります。


 1曲目の「SCAVENGERS」が流れた瞬間から鳥肌モノです。なんだろうこの感覚は。ウッドストックサウンドってよく「土の香り」とか「木の香り」と形容されますね。確かにこのアルバムもそう。いやもっと熟成された芳醇な味わいがこの1曲目からビシバシと感じ取れるのです。もう至福の時って感じですよ。もう良い曲ばっかり。良い演奏ばっかり。アルバム通してのクオリティ高すぎ。何度聴いても鳥肌モノの1枚です。


 愛してます。