addsomemusic2010-05-31



 今までの音楽人生でかなりの枚数のアルバムを聴いてきましたが、その中で1番好きなアルバムは?・・・なんて答えが出せないような質問ですが、いまの自分の嗜好だと間違いなくサニーデイ・サービスの1996年にリリースされた2nd『東京』と答えるでしょう。この数年前からそう思っています。もちろん初めて聴いた瞬間から大好きなアルバムなんですが、聴きこむほどに・・・そして年をとるごとに、このアルバムへの愛着は深くなっているんですよね。


 彼らの1st『若者たち』に衝撃を受けて、この『東京』は発売日に購入しました。もう初めて聴いた瞬間に「キターーーー!」って感じでしたねぇ(笑)。『若者たち』も良いアルバムですが、詩も青いし、曲のレベルが弱いという印象があったんですよね。それがこの『東京』で一掃されちゃいました。路線は前作同様に70年代日本のフォーク&ロックへのオマージュともいえるようなものでしたが、一気に突き抜けちゃったんですよね。曽我部恵一のソングライターとしての才能は全開で、詩のレベルも前作とは比べ物にならないくらいに向上しています。70年代音楽の模索だった前作に対して、それをサニーデイなにり消化し、そしてサニーデイなりの新しい解釈で色を付けてくれています。この路線としては完璧な仕上がりだと断言できます。更に恐ろしいのはサニーデイはこの後、更に進化していくんですよね!


 オープニングの「東京」からラストの「コーヒーと恋愛」まで捨て曲一切なし。全曲名曲のオンパレード。アップテンポな曲からスローな曲まで一貫してサニーデイの音になっています。ある種のコンセプト・アルバムといっても間違いないでしょう。過去と現在の見事なまでの融合。このアルバムでは「融合」で終わってますが次作では「発展」していきます。古き良き世界をあわせもちながら新しい音楽を作っていったサニーデイはまさに唯一無二の存在だったと思います。




東京

東京