addsomemusic2005-04-16



 ただいまのBGMは高田渡の『FISHIN' ON SUNDAY』なり。


 高田渡のアルバムは数枚しか聴いたことがないけど、これは大好きな1枚。1976年のリリースで、ロサンゼルス録音の本作は高田渡の諸作の中でも異色作といわれてる1枚。だけど、やっぱり高田節全開で、この人はどこに行っても「高田渡」なんだぁと実感できます。


 個性的な歌詞で吟遊詩人とも呼ばれていましたが、ここでもその個性的な歌詞は相変わらず。ものすごく生活感が滲み出てるんですよね(笑)。彼の淡々とした歌声がマッチしてて安らぎを感じます。素敵です。


 このアルバムを買った理由はたぶんヴァン・ダイク・パークスが参加していたから。まぁ1曲だけなんですけどね。それよりも全編に渡り、基本的なサウンドが高田の歌とギター、中川イサトのギターと細野晴臣のベースで構築されていることに注目したいですね。曲ごとにゲスト演奏はあるものの、ほとんどがこの3人による演奏がベースになってます。やっぱり細野が全面参加ってのが嬉しいですよね。彼のベース・プレイが堪能できます。


 「初めての我が児に」とは息子の漣のことなんでしょうね。そしてそのままズバリ「漣」って曲も収録されてます。親バカぶりがよく分かるアルバムでもあるし、ごく最近まで親子で共演とかしてたんで、なんか感慨深いものがあります。


 やっぱり最大の聴きどころはヴァン・ダイク・パークスが参加した「フィッシング・オン・サンデー」でしょうか。なんかイントロから思わず「ディキシー・チキン」が始まるかのような音に思わずニヤリなんですよねぇ(笑)。もちろん歌が始まれば高田節なんですが、ちょいニューオリンズっぽいし、ロバート・グリニッジのスティール・パンまで絡んできたりして極上のサウンドを聴かせてくれています。最高!


 ご冥福をお祈りいたします。

高田渡 BOX高田渡 BOX