addsomemusic2005-12-25



 先週はお休みしちゃった「人に歴史あり」ですが、今回からまた日曜のレギュラー・コーナーとしてもうしばらく書いていきたいと思います。


 音楽を聴いて雷に打たれたような衝撃を感じたことがありますか?そう運命の出会といった瞬間なのかもしれません。何が良いのか説明もできないんだけど全身に鳥肌が立つような感じで「これだ!」と思う強烈なインパクト。本当にガ〜ン!と音がしそうなくらいの強い衝撃を受けたんですよ。こんな体験をしたのは今までの音楽人生の中ではたったの2回しかありません。


 最初はすでに「人に歴史あり」で取り上げた大滝詠一の『A LONG VACATION』でした。そしてもう1回はビートルズの『THE BEATLES 1962-1966』でした。共に最も多感な時期に出会ったからこそ、そんな衝撃を受けたのかもしれません。きっと多くの音楽に接していない無菌状態だったからでしょうね。まだ音楽に関しては真っ白な状態だったといっていい中学生の私にとってこの2枚はこの後の人生を決定付けるのに十分すぎるアルバムでした。


 洋楽はすでに聴いていました。友人が聴いていたのを借りてくる程度で、ほとんどがリアルタイムでのヒット・アルバムの類いです。そのどれもが私にとってはあまり魅力を感じるものではなかったなぁ。だから当時は邦楽中心でした。ビートルズの名前は当時からもちろん知ってはいました。でも意識して聴いたことは全くなかったのでビートルズというバンドや楽曲は全くの未知なるものでしたね。オマケに私が生まれる前の音楽を聴くだなんて当時としては考えもしなかったなぁ。


 友人がビートルズはいい!と言っていて、興味本位で2枚のベスト・アルバムTHE BEATLES 1962-1966』と『THE BEATLES 1967-1970』を借りたのがある意味、運の尽きだったのかな(笑)。通称、赤盤と呼ばれている初期のベストを聴いた瞬間本当に驚いたなぁ。そのどれもが最高にイカしたポップスばかり。おまけにビートルズなんて聴いたことがないと思っていたのに、どこかで聴き覚えのある曲ばかり。生まれる前の音楽だってのに全く古さを感じさせない・・・というより60年代のサウンドに初めて触れたわけだから、ある意味とても新鮮だったんですよね。とにもかくにもカッコイイ!


 ここから先はひたすらビートルズを聴き漁りました。高校に入ってから結局全アルバムも揃えちゃったし、このビートルズに出会ってから60年代や70年代という古い音楽にしか興味が持てなくなってしまった自分が生まれた瞬間でもあったわけだ(笑)。これは自分の許容範囲の狭さを物語ってるだけでビートルズの責任ではないんですけどね。


 とにかく今でも赤盤に収録された曲は全曲ソラで歌えます。問答無用の定番なんで全ての音楽好きは絶対に聴いてください。


 ロックという音楽は60年代半ばで完結しています。もちろんビートルズが全てを作ったわけではないですが、ビートルズを中心とした当時のクリエイティブなアーティスト達によってある種の到達点に達したジャンルなんで、それ以降のロックは当時試みたサウンドの焼き直しや手直し程度でしかありません。その60年代で最っも影響力を誇ったのがビートルズなんですから、これ聴かないでどうしてロックが語れるのよ?


 ・・・なんて書くと抗議とか来るんだろうなぁ(笑)。まぁ個人的な意見なんでさらっと聞き流してやってください。