addsomemusic2006-03-05



 大学に入って新しく出来た友人は日本のロック・バンドを熱心に聴いてました。それもメジャーなものよりもマイナーなバンドやインディーズ系あたり。そんな友人の影響からか、相変わらず70年代アメリカ中心ながらも日本の音楽も合わせて聴くようになっていきました。そんな友人に教えてもらった「イカ天」というテレビ番組は毎週見ていたなぁ。


 アマチュア・バンドが10組(だっけ?)出てきて演奏するわけですよ。その中でチャンピオンを決め、そのチャンピオンは先週のチャンピオンと再度演奏して勝敗を決めるというもの。そんな感じで5週勝ち抜きを目指すという、どこぞのお笑い番組であった形式そのままだったんですが、毎週楽しみに見ていました。


 そんな中には本当に「なんだこれ?」って感じのバンドも多かったけど、とても気に入ったバンドがいたのも確かでした。そんなイカ天に出演したバンドで、その魅力に取り付かれてしまったのがリトル・クリーチャーズでした。割と後期に登場したバンドだったと思うけど、当時まだ10代だった彼らにはおよそ似つかわしくないような渋い曲を歌ってましたね。割とアコースティック寄りな演奏のトリオ編成でしたが、確かな演奏力と不安定ながら魅力的なボーカルが、同年代だった私にも大きな衝撃でした。いや、本当にかっこよかったんですよ。


 当時はイカ天バンドの青田刈り状態だったんで、その後すぐにデビューをしましたが、そのメジャー・デビューからいまだにずっと聴き続けている数少ないバンドなんですよ。そんあリトル・クリーチャーズですがデビューして15年以上も経つのに思いのほかリリースされたアルバムの枚数は少ない。そのどれもが素晴らしい内容で、アルバムごとにだんだんと音響系となっていきますが、その音のどれもが基本的にアコースティックな演奏だというのが驚きます。人力ドラムン・ベースともいえる栗原務のドラムはかっこよすぎ。


 どのアルバムが1番好きなんていえないけど、初期の作品では『VISITA』がとても聴きやすいと思います。普通に良い曲が多いんだよなぁ。個人的に1番好きなのはミニだけど『GIANTS ARE DYING』かな。タイトル曲が最高です。あと、2001年にリリースされたライブ盤『THE APEX』での演奏はめちゃくちゃ強力です。


 リトル・クリーチャーズの熱心なファンだった(過去形ではないでよ)私がHPを立ち上げたのは、もちろん多くの大好きな音楽を紹介したかったからなんだけど、その一方でリトル・クリーチャーズを大きく取り上げたいという理由からでした。今のような70年代アメリカンなサイトではなかったんですよね。


 今ではリトル・クリーチャーズのオフィシャル・サイトもあり役目を終えましたが、まだオフィシャル・サイトがなかった頃には私のHP上でアップしていたリトル・クリーチャーズディスコグラフィーが日本で唯一のものだったと自負しています(笑)。一応当時の段階ではソロ・ワークも含めてコンプリートだったと思うんだけどなぁ・・・


 今の私の音楽嗜好しかご存じない方には意外な一面かもしれませんね。とりあえず昨年リリースされた新作『NIGHT PEOPLE』も素晴らしいのでぜひ。