addsomemusic2006-07-07



 SSWの裏名盤というより、自主フォークの名盤としてその界隈では有名なアルバム。確かにレアで値段もけっこうするようです。中古屋の壁に飾られていたという話しも聴いたことがある。基本的に貧乏人な私がそんな高価なレコに手が出せるはずもないんで、これはお安く購入したものです。ただし白地のジャケがかなり黄ばんでますけどね(笑)。それに以前にはデッドストックがけっこう出回っていた・・・なんて話しも聴いたことがあるんで、持ってる人は案外いると思います。だからヤフオクとかでムチャな買い物は止めましょう(笑)。


 BILL CLINTの『THE CRYING OF A GENERATION』。1975年のリリースかな。見開きジャケなんだけど、ジャケの絵から裏や内ジャケに至るまで全て手書きというまさに自主盤の鏡のような存在(笑)。裏ジャケのイラストがなんとも情けなさを冗長してますが、内容もなんだかそんなジャケのようにとてもナイーブな世界が広がっています。いわゆるフォークという当たり障りのないようなスタイルで、基本はBILL CLINTのボーカルとギターなんだけど、それ以外にもバックでギター、ベース、ドラム、キーボードがいる曲もあってシンプルながらSSW的雰囲気も感じられます。楽曲のクオリティも高いんだけど、やはり普通のSSW好きよりはアシッド・フォークやフォーク・サイケといった感じの音が好みの方向けだと思います。なんといっても彼の情緒不安定な「歌」が時折出てくるのがかなりキテます。淡々と歌っていたかと思うと、今度はなぜか泣きじゃくってる。なんなんだ???


 ジャケのイラストには「顔」が描かれていない・・・なんだかポッカリと穴が開いたかのような感覚に襲われるアルバム。唯一無二の存在といえばそうかもしれない。基本的には普通に歌ってる曲が多いし、曲によっては女性ボーカルが加わったりして、聴きやすさもある。諸刃の剣・・・知人がこのアルバムのことをそう言ってました。確かに。