■
なんとなく久しぶりに取り出して聴いてるのはの『WISPERING PINES』なり。リチャード・マニュエルはもちろんザ・バンドのメンバーだった人。彼は結局1枚のソロも残さなかったけど、彼の没後に1985年に録音されたライブ音源が1枚のCDとしてリリースされている。まさにこれがそのライブ盤なわけで、彼の個人名義としては唯一のアルバムとなったわけだ。
これがねぇ、染みるんだ。彼の歌声からはなんともいえないような「悲しみ」が伝わってくる。リチャード・マニュエルをはじめ、リック・ダンコやレヴォン・ヘルムといった素晴らしいボーカリストを擁したザ・バンドだけど、個人的にはザ・バンドといえばリチャードのボーカルが印象深いです。特に『MUSIC FROM BIG PINK』では彼の存在感は大きく、ロビー・ロバートソンと並んでザ・バンドのメインのポジションに居たんじゃないかと思います。「TEARS OF RAGE」「I SHALL BE RELEASED」でのすすり泣く様なボーカルはこのアルバムを象徴するようなイメージを強く感じさせますよね。
彼の歌を聴くと胸が痛みます。ザ・バンドの解散以降の彼の精神状態は知る由もありませんが、ここで聴ける彼の力強くそして物悲しい歌声にはきっと私なんかには考えも及ばないような深い思いが込められてるんでしょう。ほんの一端なんでしょうが、やはりそれは痛烈に耳に響き渡ります。
バックにはジム・ウィーダーやリック・ダンコも参加してるけど基本はリチャード自身によるピアノの弾き語りに近い内容。ザ・バンド時代の代表曲も多く歌ってくれています。「I SHALL BE RELEASED」は涙なくして聴けませんね!
Whispering Pines: Live at the Gateway
- アーティスト: Richard Manuel
- 出版社/メーカー: Other People's Music
- 発売日: 2005/11/29
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 2回
- この商品を含むブログ (7件) を見る