addsomemusic2008-05-10



 高校生の頃、ザ・バンドに夢中でした。当時、仲良くなったレコ屋の店長によく70年代のアメリカン・ロックのことを色々と教わったなぁ。ザ・バンドが好きならこれも聴いてみて・・・って感じで貸してくれたのがJOHN SIMONの『JOHN SIMON'S ALNUM』でした。1970年にリリースされた1stで、当時はまだCD化されていなくて、初めて聴いたんですよね。


 いや〜ぶったまげました。針を落とした瞬間、ピアノの音とともに「フ〜フ〜」というなんとも不安定なボーカルが流れてきたんですから。ザ・バンドの男っぽいボーカルに魅了されていた高校生にとって、この下手くそな歌声はある意味で衝撃的でしたね。クレジットを見るとザ・バンドのメンバーも参加している。店長曰く、「幻の名盤と言われていたんだよ」とのこと。高校生には理解できませんでした。


 でもねぇ、ボーカルはヘタながらバックのサウンドはなかなか地に足が付いていてカッコイイんですよね。もちろんジョン・サイモンのピアノを中心としてるんだけど、ガース、リック、リチャードといったザ・バンドのメンバーを始め、レオン・ラッセル、ハーヴェイ・ブルックス、エディ・ヒントン、ジム・ゴードン、サイラス・ファーヤー、ポール・ハリス、リタ・クーリッジ、ボビー・ホイットロック・・・・などなど贅沢極まりない豪華なメンツが脇を固めていて、泥臭くもウッドストック的なサウンドを作り上げてくれています。特にジョン・ホールのプレイは素晴らしいですね。


 だんだんと耳も肥えてきて、ウッドストック系の音にハマリ出してきたらもう何の支障もないですよね。最初はよく分からなかったものの、いつの間にかこのアルバムの魅力に取り付かれていった、まさにスルメ盤ですね。


 全曲ジョン・サイモンのオリジナルなんだけど、「DEVEY'S ON THE ROAD AGAIN」はロビー・ロバートソンとの共作。とにかくジョン・サイモンの豊かな才能を存分に発揮した名盤だと思います。


ジョン・サイモンズ・アルバム

ジョン・サイモンズ・アルバム