addsomemusic2008-06-14



 特別な空気感はないんだけど、愛すべきアルバムってたくさんあります。DICK & ANNE ALBINの1978年にリリースされた『IRONWEED』も私にとってはそんな1枚。ケンタッキーの自主盤の類?だと思いますが、いわゆる自主盤にありがちなフォーク・サイケな雰囲気ではなく、もっとルーラルな肌触り。メンバーのDICKがバンジョー弾きだというのがそんな雰囲気を作り出しているんでしょうね。でもカントリー〜ブルーグラス的な音ではなく、メロディはもっとフォーキー系SSWな味わい。それに曲によってはオールドタイミーやグッドタイム・ミュージックと形容されるようななかなか懐かしくも心地よいものも揃っていて和みの1枚だともいえます。


 DICK & ANNEの夫婦デュオなのかな?リード・ボーカルのほとんどはANNEがとっています。曲もほとんどがANNEの手によるもの。ややハスキーなANNEのボーカルはマリア・マルダーを少し軽くしたような感じ。そこにアコギにバンジョー、ピアノ、ベース、ドラムが加わります。DICKがリードを取る曲もあるし、デュエットもあります。もっとルーラルにしたジェフ&マリア・マルダーといったら褒めすぎでしょうか。


 バンジョーの音がカントリーっぽくて嫌いって人を知っています。でもここでは割と控えめで、普通にSSW好きな方でも入り込めるようなものと思います。ブギー、オールドタイミーな曲が混在したA面も楽しいですが、もっとSSWライクな肌触りのB面が個人的には素晴らしい。あと、ピアノを中心に据えた「LOVE A GYPSY WOMAN」とかなかなかの名曲だと思います。