addsomemusic2008-06-16



 ニルソンの最初の4枚はどれも本当に大好きです。そんな大好きなアルバムの中でも3枚目の『HARRY』は別格です。個人的にオール・タイム・ベストのトップ20に常時入り続けている大愛聴盤。初めて聴いた高校生の時からもう何度繰り返し聴いてきたことか。飽きるどころか、その素晴らしさに聴けば聴くほど好きになるという永遠のフェバリット・アルバムです。


 1969年リリースの大傑作盤。初期ニルソンの典型的な都会的でありながらノスタルジー感溢れる素敵なアルバム。60年代末のこの時期にこのテのアルバムは本当に異端だったと思います。彼のボーカルの素晴らしさ、ソングライティングの素晴らしさ、アレンジの良さ・・・などなど温か味のあるサウンドながら完成度が異様に高いです。「MOTHER NATURE'S SON」「MR. BOJANGLES」「SIMON SMITH AND THE AMAZING DANCING BEAR」といった大ネタ・カバーもオリジナルを遥かに凌駕していると思います。そんな大ネタ・カバーに全くヒケをとらないオリジナルの素晴らしさは特筆もの。個人的に「I GUESS THE LOAD MUST BE IN NEW YORK CITY」はニルソンの全楽曲の中でも1番好きな曲です。


 それにしても歌が上手い人ですね。音域もあるし表現力も豊かです。でも彼の真骨頂はその類稀なソングライティングにあったはず。彼の書いた楽曲は本当に多くのアーティストに取り上げられたし、ヒットもしています。そんな彼がグラミーをとったのは「EVERYBODY'S TALKIN'」と「WITHOUT YOU」の共にカバー曲でボーカリストとしてだったのは、皮肉めいていますね。


 とにかく聴け!


ハリー・ニルソンの肖像

ハリー・ニルソンの肖像