addsomemusic2008-10-22



 上田正樹と有山淳司の1975年にリリースされた『ぼちぼちいこか』は和製ラグタイム・ブルースの大傑作で、関西弁による面白い歌詞と、小粋なサウンドがまさに名盤と呼べる内容で、個人的にも邦楽アルバムとしてはオールタイム・ベスト10の1枚。大愛聴盤です。


 そんな上田正樹と有山淳司が「くいだおれ太郎」で有名な「くいだおれ」閉店の当日にシークレット・ライブを行ったそう。そしてリリースされた有山じゅんじ上田正樹の『ぼちぼちいこか'08』なんですが、てっきりこのシークレット・ライブの模様を納めたライブ盤だと思って購入したら、なんと33年ぶりの再録アルバムでした。


 1975年の『ぼちぼちいこか』に収録された5曲に新曲「ぼちぼちいこか」を含む6曲のミニ・アルバム。でも雰囲気は随分変わりましたね。もっとブルース色が濃くなりました。さすがにベテラン・アーティストになった二人によるルーズな崩し加減がかっこいいんだけど、オリジナルに感じた素朴さと温か味がなくなった。有山淳司のギターが聴き所ではあるんだけど、オリジナルにあったピアノとのバランスの良さががなくなったのが大きな要因かなぁ。他にもジャグ・バンドっぽいサウンドとかが心地良かったからなぁ。「買物にでも行きまへんか」ではオリジナルと同じで金子マリがゲストで参加していたのには思わずニンマリでしたね。


 上田正樹と有山淳司の『ぼちぼちいこか』を聴いたことがない方は今回のリユニオン盤は聴く必要なし。そんな方はとにかく『ぼちぼちいこか』を聴いてください!「とったらあかん」は和製トーキング・ブルースの名曲だし、思わず計算してしまう「俺の借金全部でなんぼや」とか聴き所満載。本当に大名盤ですから!


『ぼちぼちいこか '08』フューチャリング くいだおれ太郎

『ぼちぼちいこか '08』フューチャリング くいだおれ太郎

ぼちぼちいこか+6tracks(紙ジャケット仕様)

ぼちぼちいこか+6tracks(紙ジャケット仕様)