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ボブ・ディランで好きなアルバムを3枚選ぶと、私の場合は『ジョン・ウェズリー・ハーディング』『血の轍』『地下室』ということになります。もちろん甲乙付け難いくらいに好きなアルバムは他にもあるんですけどね。で、一番取り出して聴く機会が多いのは『地下室』だと思います。
ボブ・ディラン&ザ・バンド名義で1976年にリリースされた『地下室』なんですが、録音されたのは1967年のこと。ウッドストックはビッグピンクの地下室でザ・バンド(当時はホークス)のメンバーとのセッションを録音したもの。リリースを前提としていないセッションなんで、録音状態が悪かったり、演奏がラフだったりしています。歌詞に重きを置いているディランにしては手抜きっぽい曲が多い。ほとんど即興なんじゃないのかなぁ。完璧主義のディラン・ファンの方々には厳しいアルバムなのかもしれません。サウンドも全体的にユルイですしね。
地下室で録音されたセッションならではの生々しさってのはよく伝わります。まさにライブな感覚。ルーツに回帰したサウンドはまさにウッドストック・サウンドの始まりだと思っています。重さと軽さが同居したアルバムで、曲の良さとラフな演奏、ルーズなボーカルや男臭いハーモニーが最高にイカしてます。当時からディランは突出した存在感だったわけだけど、ここではまさにバンドのメンバーの一人といった感じ。自分達のためのセッションだったとはいえ、やはりここで作り出された音楽は歴史的なものだったと思います。
アルバムは2枚組で24曲入り。ザ・バンドのみの曲もあります。録音されたのは100曲以上という話もあります。録音悪くてもいいから『地下室ボックス』とか出してくれないかなぁ。そんなのがリリースされたら卒倒しちゃうだろうなぁ。
- アーティスト: ボブ・ディラン
- 出版社/メーカー: SMJ
- 発売日: 2009/05/27
- メディア: CD
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