addsomemusic2009-10-09



 昨年くらいから岡林信康のアルバムがドバ〜ッとCD化されてますね。多くのアルバムがなかなかCD化されず、特にSMSからの貴重なライブ・アルバムなんてのはCD化されないものと思っていました。どうやって岡林信康口説き落としたのかは知る由もありませんが、一連のCD化を機会に、なかなか入手できなかったアルバムを少しずつ買い揃えています。お願いだからすぐに廃盤にしないでね(笑)。


 ただいまのBGMは『岡林信康ろっくコンサート』なり。1970年10月9日日比谷野外音楽堂でのライブで、リリースされたのは1979年でSMSからの「幻のフォークライブ傑作集」シリーズの1枚としてでした。当時はURCに所属していましたが、当時のURCは所属ミュージシャンのライブはほぼ全て録音しています。今の時代と違い。60年代末から70年代初頭のインディー・レーベルとしてはスゴイことです。ただしライブ録音は完璧といえるものではないものが多い。この『岡林信康ろっくコンサート』もバランスが非常に悪いんですよね。でもこのバランスの悪さが生々しいんですよ。日本の音楽の歴史を「記録」として残している凄味のようなものがビシバシと伝わります。


 アルバム・タイトル通り、ロックな岡林が堪能できます。バックはもちろんはっぴいえんどです。なんといってもここでのはっぴいえんどの演奏がスゴイ。この攻撃的な激しいサウンドは音源として残っているはっぴいえんどの演奏としては最強でしょう。中津川フォークジャンボリーよりもスゴイです。特に鈴木茂の歪みまくったギターが熱すぎます。


 収録曲は彼の代表曲ともいえるようなものばかり。はっぴいえんども単独で「12月の雨の日」と「かくれんぼ」を演奏しています。岡林ファンは当然なんでしょうが、はっぴいえんどファンもこれは必聴でしょう。岡林なんてこの前年には『あんぐら音楽祭』とかで思い切りフォークなライブしていたくらいですから、いかにはっぴいえんどの影響が大きかったのかは一目瞭然です。これは岡林だけに限らず、当時のURCのアーティストはみんなそうですね。はっぴいえんどの1stリリース以来、フォーク畑のミュージシャンが挙ってはっぴいえんどを起用してエレキ化していきましたから。


岡林信康ろっくコンサート (紙ジャケット仕様)

岡林信康ろっくコンサート (紙ジャケット仕様)