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もう10年以上も前にリリースされていた『BEARSVILLE VOX』が再発されたようです。長らく廃盤状態が続いていたんでこれは嬉しいですね。全てのウッドストック・サウンド好き・・・だけでなく全てのアメリカン・ロック好きにはぜひとも聴いてほしいです。再発にあたってSHM-CD仕様になり、5曲が追加されました。もともとCD4枚組79曲というボリュームだったのが全84曲とパワーアップです。
ニューヨーク州のウッドストックの近隣にあるベアズヴェル。小さな町のレーベルには70年代のアメリカらしい優れたアルバムの数々を世に送り出しています。特に印象的なのはアメリカン・ルーツ・ミュージックを根底にしたサウンド。我が日本では称してウッドストック・サウンドなんて呼ばれていますが、決して特定のジャンルというわけでもなく、幅広い音楽性ではあるんですよね。でもそのどれもが懐かしさを感じ、しっかりと地に足をつけたような骨太な印象が強いですね。ベアズヴィルのアーティストではボビー・チャールズ、ベター・デイズ、ジェシ・ウィンチェスターあたりがお手本のようなサウンドだったりしています。
良くも悪くもボビー・チャールズ・・・これがベアズヴィルのイメージとなってしまった感じはありますね。でもベアズヴィルで最も売れたのはトッド・ラングレンであり、ユートピアであり、フォガットだったりしています。スパークスをはじめ、かなりポップなバンドもいるし、ランディ・ヴァンウォーマーのようにAOR路線もいる。決してレーベルとしては「ウッドストック・サウンド」ばかりだったというわけではないんですよね。どちらかといえば「ウッドストック・サウンド」のほうが少数派だったと思います。
そんなベアズヴィルのボックス。悪いはずはないです。珠玉の名曲・名演のオンパレード。やっぱりウッドストック・サウンドな音のクオリティは流石!としか言いよういがないです。間違いなくボックス最初の2枚はずば抜けて素晴らしい(笑)。
聴きどころも満載なんですよね。当時未発表だった音源のてんこ盛り。特にリビー・タイタスがベアズヴィルで録音したもののお蔵入りした曲とかもう興味津々ですよね。今回の追加曲の中に世界初CD化となるLAZARUSの「LOOKING THROUGH」があるのに興奮した。ラザラスの1st収録曲で、ラザラスの1stこそ我が最愛の1枚だったりしています。たった1曲だけとはいえ、遂にCD化されました。これをキッカケにラザラスの1stがCD化されないかなぁ・・・と本当に願っています。
- アーティスト: オムニバス
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2009/12/16
- メディア: CD
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