addsomemusic2010-02-03



 ALAN O'DAYの『SONGS BY ALAN O'DAY』が韓国のBIG PINKというレーベルからCD化されましたが、これには本当に驚いた。だってこんなアルバム絶対にCD化なんてされないと思っていたから。アラン・オデイは1977年に「UNDERCOVER ANGEL」のヒットもあってAOR界隈ではかなり有名な方。我が日本では山下達郎の英語詩を書いてることでも有名ですね。そんなメジャー級のアーティストなのに、なぜCD化に驚くのか・・・といえば、このアルバムはデモ・オンリーで関係者への配布のみというアルバムだから。販売もされていないアルバムなもんでねぇ。


 こんなアルバムを取り上げてたのは私のブログぐらい・・・っていうくらいにマイナーな存在だったアルバムです。まぁコアな音楽マニアには知られたアルバムですが、いかんせんデモ・オンリーなもんでねぇ。CD化された関係者は私のブログ見てくれたのかなぁ(笑)。 


 随分前に「SSWの裏名盤」の1枚として取り上げていたんで、再度載せておきますね。

 ALAN O'DAYのアルバムでも取り上げてみようかと。アラン・オデイというと1977年に「UNDERCOVER ANGEL」のヒットで有名ですね。当時リリースされたアルバムもポップ感覚満載のAOR的なアルバムで、こちらもヒットしたはず。中古レコでよく見かけますね。この日本においては山下達郎の英詩を手がけてる人と書いたほうが分かりやすいのかもしれません。


 アラン・オデイは60年代からソングライターとして活躍しています。いわゆるミドル・オブ・ロード系。かなり優れたポップ・センスを感じさせてくれますが、SSW好きよりもポップス〜AORあたりの音がお好きな方に好まれるような音だと思います。


 アラン・オデイのどこがSSWの裏名盤やねん!なんてツッコミもありそうですが、彼によって1973年に作られた『SONGS BY ALAN O'DAY』はポップなSSWアルバムとしてこの裏名盤に取り上げてきた他のアルバムと並べても問題のないくらいに優れたアルバムだと思います。ポップ・アルバム、SSWアルバム、プレAORといろんな側面を感じさせてくれます。


 彼は1973年にワーナーから『CARESS ME PRETTY MUSIC』というアルバムをリリースしていますが、この『SONGS BY ALAN O'DAY』はそれ以前の録音だと思います。なぜかといえば『SONGS BY ALAN O'DAY』はデモ・オンリーのアルバムだから。このアルバムに収録されている数曲は『CARESS ME PRETTY MUSIC』でお目見えしています。路線的には2枚近いものの、やはりデモということもありシンプルかつチープな作り。もともと鍵盤奏者なだけに、ピアノやエレピの比重は高いもののギターやベース、ドラムと全ての楽器を自身でこなしています。数曲でサポートが入ってるものの、ほとんどをアラン・オデイ一人で作り上げたアルバムだと思います。アルバム通して彼のメロディ・メーカーぶりは堪能できますが、かなり雑多な印象を受けるのは否めません。それはこのアルバムがデモ・アルバムという性格上しょうがない部分なんでしょうね。


 収録された曲は1970〜73年に書き溜められたもののようです。いかにもヒット曲を狙ったようななやや大味なメロディ・ラインには地味好みの私にはピンときませんが、70年代前半によくあるSSWタイプの楽曲にはグッとくるものがあります。こういった曲の書き分けができるのも彼の才能ですし、ボーカルもよく自身によるハーモニーも素敵ですね。


 あまりにも狙いすぎなオープニングの「FLASHBACK」はちょっと・・・って感じなんだけど、続く「CARESS ME PRETTY MUSIC」はSSWライクな曲調にニンマリ。「EVERYBODY IS AN ONLY CHILD」はメロウでまさにプレAORな1曲。ポップ・ソング「THE DRUM」での遊び心溢れたアレンジがなんともキュート。スロー・ナンバー「SPIN AWAY」でもメロウさにはクラクラきちゃいますね。「GIFTS」は胸を打つような名曲。個人的にはこれ1曲だけでこのアルバムの価値が何ランクもアップしてしまいますが(笑)。


 アラン・オデイのレコは安く見かけますが、この『SONGS BY ALAN O'DAY』だけはなかなか難しいです。デモ・オンリーだからプレス枚数も100枚くらい?なんて話も聞いたことがあります。本当なのかどうかはよく分かりませんが、レアなのは間違いありません。海外オークションでもそれなりの値段になると思いますが、自分の耳で聴いて、あくまで個人的な感想としては100ドルは高いかなと(笑)。決して内容が悪いというわけではないんですけどね。


 取りあえず、このテのCDは買える時に買っておきましょう。