addsomemusic2009-10-12



 THE VELVET UNDERGROUNDといえばバナナのジャケで有名な1stが圧倒的な評価&人気ですね。でも私は1969年にリリースされた3rd『THE VELVET UNDERGROUND』がダントツに好きです。次は?と聞かれるとたぶん『LOADED』と答えるでしょう。これってヴェルヴェット・アンダーグラウンドの本質が分かっていない・・・と言われそうですが、そんなことはない。この3rdもまたヴェルヴェッツの内面をむき出しにした名盤だと思います。


 ジョン・ケイル色が濃くでた2nd『WHITE LIGHT/WHITE HEAT』はノイジーアヴァンギャルドな名盤でしたが、そのジョン・ケイルが脱退したためか、こに3rdは落ち着いた楽曲が多く占められています。普通に聴き流せば「美しい曲」が並んだアルバムかもしれません。でもルー・リードの繊細さと内省が前面に押し出されていて、単純に「美しい」というよりは「痛々しい」という印象を強く受けます。


 ヴェルヴェット・アンダーグラウンドサウンドってその時代のバックボーンが必然的にセットになったようなものなんで、単純にアルバムの音だけでは語れないと思うんですよ。ただ後追い世代の私が(まして日本人だし)そんな時代を理解できるはずもなく、残させた「音」だけで純粋に彼らの世界観を感じとるしかないわけ。彼ら世界観のほんのわずかな部分しかくみ取ることしかできないんだけど、そのわずかな断片だけでも痛いくらいに伝わってくるんですよね。あ〜これがヴェルヴェット・アンダーグラウンドが今なお聴き継がれている証拠なんでしょうね。